トルコリラ円見通し 米土首脳会談は懸案先送り、14日朝はリラ安と円高(19/11/14)

トルコリラ円は14日未明高値18.95円まで上昇していたが早朝からの対ドルでのリラ安と13日夕刻からのクロス円全般における円高にも押されて18.80円台まで失速している。

トルコリラ円見通し 米土首脳会談は懸案先送り、14日朝はリラ安と円高(19/11/14)

【概況】

トランプ米大統領とトルコのエルドアン大統領は13日にワシントンで首脳会談を行った。シリア領内のクルド人武装勢力問題やトルコのロシアからの武器購入問題等で両国は対立し、一時は米国がトルコへの経済制裁を科していたが、米国提案のシリア領内停戦案にトルコが合意したことで制裁は解除され、11月6日の両首脳の電話会談により今回のワシントンでの首脳会談が実現した。
会談ではトルコがロシアから購入したミサイル防衛システムS400の問題については両国の関係機関で協議を続けることや、F35に関するNATO共同開発におけるトルコの参加についても協議を継続することとされたようだ。会談後の共同記者会見でトランプ大統領は「S400問題は米国にとって非常に深刻な問題だ」と述べたが、NATO同盟国であるトルコとはこの状況を解決できることを望んでいると述べ、エルドアン大統領も対話を通じてのみ解決できると述べた。
諸問題は先送りされた格好だが、ひとまず両国の対立感が増す情勢の悪化は避けられたと思われる。

ドル/トルコリラは10月15日の高値1ドル=5.94リラから11月4日安値5.67リラまでドル安リラ高で推移していたが、その後はドルストレートにおけるドル高の巻き返しに乗って11日には5.79リラまでドル高リラ安となった。13日は安値で5.73リラまで小反落していたが、米・トルコ首脳会談直後の14日早朝からは反発=ドル高リラ安となり、11月4日以降のドル高リラ安基調の継続感が強まっている。
トルコリラ円は14日未明高値18.95円まで上昇していたが早朝からの対ドルでのリラ安と13日夕刻からのクロス円全般における円高にも押されて18.80円台まで失速している。

トルコリラ円は11月7日以降ではドル円とほぼ同調した動きが続いていたのだが、13日夕刻からドル円が一段安する中でもトルコリラ円は深夜まで上昇を継続してドル円の動きに逆らった。しかし14日早朝のトルコリラ円急落で同調のズレは解消されている印象だ。
米・トルコ首脳会談も通過したことで、当面はクロス円全般の流れを見ながら同調的な展開に入ると思われる。またクロス円全般としては米中通商協議問題が暗礁に乗り上げているとのWSJ紙報道等や香港のデモ激化等からややリスク回避的な動きで円高感がぶり返している。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月8日未明と8日夜の両高値をダブルトップとして弱気サイクル入りしていたが、11日夕刻安値からの反発が12日夜まで続いたため、13日午前時点では11日夕刻安値でやや短めのサイクルボトムをつけて一旦強気サイクル入りした。
しかし14日未明へ戻り高値を切り上げてからの反落で13日朝安値及び11日夕安値を割り込んでいるため、14日未明高値をサイクルトップとして新たな弱気サイクルに入ったと思われる。11日夕安値を基準としてボトム形成期を14日夕刻から18日夕刻にかけての間と想定する。

10月31日高値以降は戻り高値が切り下がり型で推移してきているが、18.80円前後を支持線として11月1日、11月7日、11月11日と反発してきた。この支持帯からするような流れとなれば、10月31日以降の高値圏持ち合いからの転落となり、下落が加速しやすくなると警戒する。

60分足の一目均衡表では14日早朝からの急落で遅行スパンが悪化し、先行スパンからも転落しているので、当面は先行スパン下限を戻り抵抗として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。強気転換は両スパン揃って好転するところからとする。

60分足の相対力指数は60ポイント台中盤へ上昇していたが14日早朝からの急落で30ポイント台へ下降している。50ポイント以下での推移中は一段安警戒とするが、10月末以降は30ポイント割れを何度か切り返してきているので、今回もまず30ポイント割れを切り返せるかどうかを試すとみる。またいったん切り返してもその後に安値を更新して指数のボトムが切り上がるような強気逆行が見られない内は下落継続しやすいと注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月1日夕安値18.79円を下値支持線、18.86円を上値抵抗線とみておく。
(2)18.86円以下での推移中は一段安余地ありとし、1日夕安値割れからは18.70円台前半へ下値目処を引き下げる。また18.80円以下での推移が続く場合は15日にかけてさらに続落しやすいと注意する。
(3)18.86円超えからは強気転換注意として18.90円前後試しとするが、18.90円前後では戻り売りにつかまりやすいと注意する。上昇再開感が強まるには14日未明高値を超える必要があると考える。

【当面の主な経済指標等の予定】

11月14日(木)
16:00 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 -2.8%)
11/15(金)
16:00 8月 失業率 (7月 13.9%)

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