豪ドル/円、短期、中期ともに豪ドル弱気。70.00割れの越週で一段の下落へ。
今週は注目されるオーストラリアの経済指標の発表がありませんでしたが、米中貿易摩擦問題に対する両国の報復関税の応酬や、協議に対する双方の駆け引きに振り回される展開となっています。週初に米中が協議に向けて歩み寄りを見せたかに見えたことから、リスク回避的な動きがやや後退したものの、問題解決への糸口は未だ見つからない状況にあり、引き続きリスクオフの動きが出易い状況に変わりありません。豪ドルはこうした動きに影響を受け易く、対ドル、対円で上値の重い展開が続いています。豪州中銀は引き続き世界経済の行方を注視しつつ、必要とあれば一段の緩和も辞さない構えです。
チャートを見ると、日足は週初のシドニー市場で69.97の安値を付けた後は小反発に転じていますが、上値を切り下げる流れには変化が認められず72円台にも乗せ切れていません。一方で70.00-10の長期的な下値抵抗には跳ね返されており、底打ちの可能性を残した状態です。短期トレンドは72.50超えで終えれば下値リスクが後退しますが、中期トレンドがまだ弱く74.50超えで越週するまでは下値リスクを残します。日足の上値抵抗は71.70-80、72.20-30に、下値抵抗は70.60-70、70.00-10にあります。21日、120日、200日移動平均線は72.03、76.04、77.36に位置しており、短・中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れを変えていません。
一方直近の週足は、陽線を繋げられずに陰線引けとなり、下値リスクの高い状態に変わりありません。70.00近辺の長期的な下値抵抗を守って小反発に転じています。しかし、週足、月足の形状は改善しておらず反発余地が限られ易い状態にあります。72円台を回復して引ければ来週以降、反発余地を探る動きに繋がり易くなりますが、この場合でも4月に付けた80.72を起点として上値を切り下げる流れに変化が認められず、74.50超えで越週しない限り、上値余地も拡がり難いでしょう。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は72.40-50、72.90-00に、下値抵抗は70.60-70、70.00-10にあります。31週、62週移動平均線は76.44と78.58に位置しており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変化が認められません。
豪ドル/円【週足】:8/28現在31週移動平均線は76.44に、62週線は78.58にあり、これらを大きく下抜けて、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っている)
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