豪州中銀政策金利要旨（2019年8月6日公表）

今回、エコノミストの予想通りの据え置きになりました。また、先々は必要あれば緩和することも明記しています。

以下は豪州中銀の金融政策の議事要旨の抜粋です。

（議事要旨）
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを1.00％の据え置きで決定した。

世界経済の見通しは依然として程よいところにいる。しかしながら、貿易やテクノロジー紛争により生じた不確実性の増加が投資に影響を与え、そしてそれが世界経済に与えるリスクとして、下方修正に向かわせていることを意味している。ほとんどの先進国で、失業率は低く、賃金は上昇しているにも関わらず、インフレは依然低い。世界貿易の鈍化がアジア地域での成長を鈍らせている。中国では、当局が経済下支え策を実施し、一方で金融システムのリスクを処理している。

世界の金融情勢は依然緩和的である。世界経済に対して根強い下方修正リスクがインフレを低下させ、幾つかの中銀に利下げを促し、一層の緩和が予想されている。長期国債のイールドは一層下落し、豪州を含めた多くの国で歴史的に低くなっている。企業や家計の借入金利も歴史的に低い。豪ドルもここ最近では最も低い水準になっている。

今年上半期の豪州の経済成長は当初予想よりも低かった。これは家計収入の伸びが低いままの期間が長く、住宅価格下げの影響もあり、家計消費が下がったことによる。先々を見ると、豪州の成長は現在よりは緩やかに上がっていくことが予想される。豪州経済の成長シナリオの中央値は2019年に2.5％、2020年以降2.75％となっている。

この見通しは低金利・最近の減税、継続的にあるインフラ整備、幾つかの地域での住宅価格安定、そして資源部門での明るい先行き見通し等に支えられている。国内での主要な不確実性は消費の見通しである。これは家計の可処分所得が伸び、住宅価格の安定が消費を支えていると予想されているにも関わらず起きている。

雇用はここ数年で力強く伸びた。労働参加率は記録的な高さである。失業率は5.2％まで幾分高くなってはいるが、にも関わらず、最近でも労働市場で生産余力への食い込みはほとんどない。失業率は今後2〜3年で5％まで緩やかに下がっていくと予想している。

賃金の伸びは依然低く、目下のところ上昇圧力はない。より多くの供給の伸びで、労働需要は強くなっている。これらを合わせ、最近の労働市場の成果は豪州経済が、低い失業率や低い不完全雇用に支えられていることを示唆している。

最近のインフレデータにより、インフレ圧力が経済を通して依然低いままであることが確認され、今後も予想されている。6月末期までの年率で、インフレは1.6％だった。インフレ見通しの中央値は、今後徐々に上がっていくとみている。しかし、インフレが目標値2％まで上がるには、おそらく当初の予想よりは時間がかかると思われる。インフレ見通しは2020年までは2％を少し下回り。2021年に2％を少し上回る予想である。

住宅市場の状況はシドニーやメルボルンを除いては依然軟調である。（住宅関係は以下略）

低金利を更に長期間維持することは、失業率を下げ、2％のインフレ目標値を達成するのに確固たるものにするため、豪州経済に必要であると予想することは理にかなっている。委員会は引き続き、労働市場の進展に注視し、持続的経済成長を支え、インフレを目標値に達成するために、もし必要なら一層の金融緩和を続ける。
（以上）

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル米ドル相場は発表前に0.6775〜80米ドルで推移していましたが、発表後も予想通りの内容に僅か15ピップス程度豪ドルが買われただけとなりました。
相場は週足ベースの豪ドル安トレンドラインが0.6750〜0.7050米ドルにあり、下限が綺麗に止まっています。但し、日足ではトレンドラインの下限が0.6780米ドルにあるので、ザラバでは下抜き現在はそのラインに絡んで推移しています。

日足・週足共豪ドル安は変わりませんが、ここからトレンドラインの上方に向けて買戻しになるのか、下抜けてしまうのか、豪州サイドからの材料は当面無くなったので、米国の株価と金利動向をウォッチして、週足でサポートを切るか切れないかを判断した方が良いかと思います。

下抜けの場合は大きなサポート0.6580〜90の手前の0.6710〜20、0.6660米ドルにあります。上値は0.6840米ドルを越えて終らない限り下値リスクを残します。
（2019年8月6日15時40分、１豪ドル＝0.6785米ドル）