過去8年間の豪州株式・NZ株式及び為替の動き35

前回(5月下旬)以降、豪ドル対NZドルはNZドル高方向に動きました。

過去8年間の豪州株式・NZ株式及び為替の動き35

過去8年間の豪州株式・NZ株式及び為替の動き35

(1)豪州株価指数とNZ株価指数推移(2019年7月18日現在)

(1)豪州株価指数とNZ株価指数推移(2019年7月18日現在)

前回(5月下旬)以降、豪ドル対NZドルはNZドル高方向に動きました。
いつもの様にまず資金移動の観点から両国の株価指数を比べると、オセアニア株価指数は両方共に一段高となっています。両国の金融緩和がリスク資金として株価に流れているようです。
特にNZ株は大きく上昇し、上図の@とBでパラレルに推移していましたが、上限を越え始めました。
豪州株も上昇しているものの、まだCとDのパラレルの中にいます。

昨年12月底値からの上昇幅を見ると、NZ株は23.9%、豪州は21.6%、NYダウは25.4%、日経平均は11.1%ですから、日経平均は伸び悩み、NZ株とNYダウが大きく上昇しています。豪州中銀もNZ中銀もまだ先々の金融緩和姿勢を崩していないので、市場の株価には好感がされています。世界的にも金融緩和による将来の業績拡大期待での株高材料になっています。そして、両国を見るとこれまで同様、ほぼ一貫してNZ株>豪州株が継続しており、依然として投資資金はNZ株の方に多く流れている様です。

この2国間の相対株価と為替を比較したものが、下記チャートになります。  

(2)為替と相対株価指数比

(2)為替と相対株価指数比

オレンジ色のラインは2国間株価指数比(「豪州株÷NZ株」で表したもので、上方向が豪州株高、下方向がNZ株高)となっています。2011年から一貫してNZ株>豪州株が継続し、2016年末に豪州株高で調整しましたが、2017年以降は緑色の抵抗線に沿って、NZ株高豪州株安になっています。
また青のラインは豪ドル対NZドルの推移ですが、2015年以降の緩やかな豪ドル高トレンドの下限で、2019年からは底這っている形になっています。このレンジ間の黒い抵抗線が目先の豪ドル高を抑え込んでいます。この赤いラインの下限は1豪ドル=1.04NZドル付近にあります。
ここを割ると、一段のNZドル高豪州ドル安の流れになります。取り敢えず、7月末の終値で1.0350NZドル以下になれば、一度下割れになります。

さて、その豪ドル/NZドルの相場は、前回(5月時点)のレポートで、

「…大きな流れは1.0220〜1.1190NZドルレンジで3角保合いの収斂を続けていますが、1.02NZドル付近では相当下値を固めており、下値は固くなっています。一方で上値は1.0730のダブルトップが効いているので、当面は1.0420〜1.0730NZレンジで推移すると思われます。
下値は1.0520、1.0470、1.0420NZドルにサポートあります。上値は1.0610、1.0670、1.0730NZドルに抵抗線があり、最後を越えるとかなり豪ドルが強くなりそうです。
まだ株式資金の流れがNZ株>豪州株ですので、中々上限を越えて行けるだけの動きにはなり難いと思われます。もし豪州中銀が利下げを実施し、豪ドル売りがでたら買い場探しになる可能性があります。」

としました。(前回は5月28日掲載) 

大きな流れは3角保合いが継続しており、昨日現在で1.0230〜1.1170NZドルとなっています。上値抵抗線の方が若干急角度ですが、まだまだ収斂が続く可能性が高くなっています。
実際の相場は約1ヶ月半強で、1.0420NZドルサポートまで下押してきました。短期的なトレンドラインは1.0350〜1.0525NZドルの豪ドル安トレンドになっているので、もし1.04を割ると、1.0350NZドルまでの流れになります。ここまで行けば3角保合いを下抜けする可能性が高くなるので、このポイントは要注意です。
逆に1.04NZドルを維持できれば、トレンドライン上限の1.0525NZドル方向のトライになります。この間の抵抗線は1.0460、1.0490、1.0520〜30NZドルの順です。もしトレンドラインを更に越える豪ドル買いになると、上値余地が一段と広がります。この時は株価指数が豪州株>NZ株になっていると思われます。
(7月19日14:00現在、1豪ドル=1.0427NZドル)

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