豪州中銀議事要旨(2019年4月16日公表:理事会は4月2日開催分)
今回の議事要旨も過去の内容と大差ありません。今回も全般について細かく記載しており、金融政策中心に箇条書きにて抜粋します。変更点として、将来の金融政策変更について上げも下げもあるとの文言を除外し、現行の利率を据え置く(利上げするシナリオは低いとの内容)ことを述べています。
以下は豪州中銀の金融政策の議事要旨の抜粋です。
(議事要旨)
@世界経済の伸びが、ここ最近一層緩やかなペースになったことを確認しそこから議論を開始した。
Aこの主因は製造業部門の鈍化がとりわけ明確になっている。3月には中国で改善を見せたが、世界中のあらゆる範囲で製造業部門の落ち込みが見られる。
B最近の米中貿易交渉は幾分ポジティブな面も出てきたが、米国は日独含めて自動車輸入の規制を強め、大型車への影響が見られる。
C多くの先進国で、内需はポジティブな面が見られる。これは2019年初からの緩和基調が支えている。ほとんどの先進国のインフレは中銀目標の中間値に向かっている。
D消費は労働市場の引き締まりや賃金上げに支えられて拡大している。日本においては2019年10月の消費税上げを控えて消費の前倒しが起きている。
E投資に関してはバラつきがある。米国は平均以上を保持しているが最近は投資が下がっている。ユーロ圏は一層弱くなった。
F豪州成長に関しては、2018年後半には明らかに前半よりも減速した。12月末期のGDPは前年比2.3%で、前期比0.2%の伸びであった。特に消費の伸びが弱く、予想以上の住宅投資減少が要因であった。
G非鉱山関連企業の投資は12月末期には堅調に推移した。これは四半期GDPに大きく貢献した。これは民間のインフラ整備投資計画などによる。また相対的に、非住宅ビル建設も高水準を確保した。今後も一層の成長に寄与できると予想。
H12月末期は干ばつによる農産物の出荷が下落した。農業関連GDPは2018年下半期で6%以上の下落であった。
I公共事業はGDPに強く貢献した。労働市場は2019年初も改善した。
J(世界の金融市場に関しては略します)委員達は世界経済の緩やかな伸びは2018年後半から2019年に入っても続いている。貿易の緊張や欧州の政治状況に不確実性が見られる。同時にここ数ヶ月は世界的な金融緩和が起きた。
K豪州のここ数年間の低金利は経済、失業率下げ、インフレを中間値に持って行くなどを下支えてきた。中央銀行のシナリオは失業率下げとインフレの双方を一層進展させていくことである。その意味で家計の可処分所得の向上は見通し達成の重要要因である。
Lこの目標達成に向けて、委員達は近々金融政策を調整していく強い状況にはないことを確認した。委員達は結果を微調整することは不可能だが、金融政策を安定的に維持することが安定性や信頼の源泉であると信じている。
Mインフレも暫く低いままだろうし、賃金の伸びも低い。小売や政府関連の強い競争力を保つことは生活コストを下げる方に働く。これは価格へ影響する。この状況下で、委員達はキャッシュレートを近々上げるというシナリオは低いということに同意した。
N中銀の目標に向かって、一層期待される進展を行うには、キャッシュレートを維持することが適切であると確認した。先々をみて、委員達は国内GDPと労働市場のデータを見ながら、その進展を精査していくことになる。現行の金融政策は成長を下支えし、インフレ目標を達成するものとなる。
O委員会はキャッシュレートを1.5%のまま据え置くことを決定した。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
相場は発表前に0.7170米ドル付近で推移していましたが、発表後に30〜35ピップス程度急落し、現在は0.7150米ドル絡みで推移しています。中銀は低金利を暫く維持との内容に豪ドルのロングを手仕舞った形になっています。これは先週央に0.7130米ドルの抵抗線を越えたことで、目先上値トライの目があったことへのロングと思われます。現在はそのライン(0.7130米ドル付近)に絡もうとする動きをしており、サポートとして0.7120〜30、0.7080米ドルにあるので、できれば前者を維持するか、場合によっては後者まで下押す可能性もあります。このサポートを維持することが、その後の豪ドル高に繋がります。短期的には0.7080〜0.7210米ドルの豪ドル高トレンドラインを作る動きに入っています。
(2019年4月16日14時30分、1豪ドル=0.7148米ドル)
オーダー/ポジション状況
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