ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、8円の大台がレジスタンスとなってくることを考え「7.75レベルをサポートに、8.05レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.61レベル、高値が7.93レベルと予想よりも低い水準での取引となりました。
先週のランド円は週前半こそ上値は重たいものの、もみあいとなっていました。テクニカルな観点から下記の4時間チャートを見ると、年初来安値と2月20日安値を結んだサポートライン(水色)と2月高値と2月25日高値を結んだレジスタンスライン(ピンク)とで構成されるトライアングル状のパターンを3月6日に下抜け、さらには7日にラマポーザ大統領が南ア中銀の国有化に言及したことでダメ押しの下げにつながっています。
先週は前半には強めのGDP等でいったんは下げ止まりそうにも見えたのですが、テクニカルに抜け始めたところに、中銀国有化による独立性の懸念と財政悪化懸念が嫌気されてのランド売りとなりました。この中銀国有化の話は以前から与党ANCの中では政策の一つとして挙げられていましたが、今月中の予定されているムーディーズの格付け前に、大統領の発言として出てきたことが、下降トレンドを定着させることとなりました。
他にも外部要因として、木曜にECB理事会がハト派な決定をしたことから改めて世界的な景気減速懸念が広がったところに、金曜には中国の貿易収支が予想を大幅に下回る弱い結果となったことで、南アの貿易相手国として第1位である中国の景気減速がランドを売りやすい地合いにさせたと考えられます。
今週の経済指標は企業信頼感程度で市場への影響は少ないと思われますが、英国ではブレグジット関連の採決が3日連続で行われる予定となっていますし、中国の貿易収支や同日に発表された米国雇用統計後の株式市場の動きを見ていると、リスクオフに反応しやすいと考えられ、そうなると高金利の新興国通貨には売りが入りやすくなるため、今週もどちらかというと上値が重たくなりやすいと言えるでしょう。
次にテクニカルな観点ですが、今週はまずドルランドの日足チャートをご覧ください。
対ドルでの動きを見ると昨年9月のドル高値(ランド安値)から、高値を切り下げ10月以降はピンクの平行線で示した下降チャンネルの中で、上下しながらもドル安・ランド高の傾向が見られました。しかし、先週木曜のランド売りでレジスタンスラインを上抜け、現状は9月高値と今年1月末安値との61.8%戻しとなる14.755を目指す流れとなっています。
ドルランドの方向性が上記の通りであるという前提で、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
冒頭に書いた通り、ピンクのレジスタンスと水色のサポートのトライアングルを下抜けたことで、レジスタンスと平行に引いたピンクのラインとで構成される下降チャンネルの中での推移に転じてきたと考えられます。今週の材料は株式市場を中心とするリスクオフに対する警戒程度しか無いのですが、テクニカルには下値を警戒すべきパターンとなっています。
今週は戻り売りが出やすい流れを続けると見て、7.50レベルをサポートに7.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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