今晩トルコ中銀総裁交代後初の政策金利決定会合
昨日トルコの中央銀行総裁が交代しました。
5年間の任期の間総裁を務めたバシュチュ総裁の後は40歳の前副総裁ムラト・チェティンカヤ氏が昇格となります。
バチュシュ総裁は度重なるエルドアン大統領の金利引き下げ圧力に屈することなく政策金利を13ヶ月間据え置いての退任です。しかし、任期終盤の3月の理事会では上限金利の翌日物貸出金利については0.25%引き下げてエルドアン大統領の政治的圧力に対し一定の「配慮」を示した形をとっていました
トルコの直近の消費者物価指数は7.5%、現在のトルコ中銀のインフレターゲット5%を引き続き大きく上回っています。また、株式市場も年初来上昇するなど、一見利上げが必要な状況とも思えません。
しかし、エルドアン大統領は他の資源国を中心とする新興国経済が低迷する中で相対的に優位にある自国の優位性を一気に高め政治的にも基盤固めをすべく、執拗に景気刺激策を中銀に対して迫ってきました。
独裁的傾向を示すエルドアン大統領に対しバシュチュ総裁はよく中銀の独立性を守ったと評価されてしかるべきでしょう。
次期総裁への再任はないだろうとされていた次期総裁には当初外部から傀儡的な人物が指名されるのではないかとの憶測も流れていました。しかし結果は内部からの昇格で、大統領に対し比較的中銀の独立性に理解を示す首相派の意向が働きバランスをとったとされています。
新総裁のチェティンカヤ氏は中銀に加わる前はイスラム金融を含む金融経験の持ち主ですが、スタンスは未知数です。就任演説では政策の透明性を保ち経済の安定性を保つこと、コミュニケーションに配慮して政策を理解されやすいものにすること等に重きを置くとの発言をしています。
本日が新総裁第一回目の政策金利決定会合、市場では翌日物貸出金利のみ0.25-0.5%の引き下げを見込んでいます。0.5%の場合トルコリラには一旦売りが集まるものと予想されます。結果公表は日本時間20:00。
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