歴代FRB議長揃い踏み(2016年4月8日)

今朝アメリカで第12代ポール・ボルカー元FRB議長から現在の15代イェレン議長まで過去4代のFRB議長が一同にディスカッションに参加

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歴代FRB議長揃い踏み(2016年4月8日)

歴代FRB議長揃い踏み

今朝方、阪谷さんが速報でイェレン議長の発言のポイントを投稿してくださっていますが、今朝アメリカで第12代ポール・ボルカー元FRB議長から現在の15代イェレン議長まで過去4代のFRB議長が一同にディスカッションに参加という珍しいイベントがニューヨークで開催されました。

International House主催のこのイベントは、映像を見る限り前任者の方々が高齢なこともあり、(この期に及んで本音のぶつけあいともならないためか?)なかなか活発な議論というわけにはいかない感じでしたが部分的には味わい深いものもありました。

FRB議長の任期は4年ですが大体二期くらいは務めていることから、就任期間にはそれぞれ難しい局面が含まれています。4人の直面した経済の状況が異なるために、残した印象も違いますが、同時点で同じ経済環境を論じると(少し残念ですが)まったく異なる見解を持つようなこともなく、むしろ協調的になるのだなぁという点は(一部本心なのかどうかは別として)ちょっと新鮮でした。

イェレン現議長の発言は、昨年12月の利上げは間違いでなく、現在はバブルではなく、雇用市場が完全に近いということで、外的不安要因はあるものの経済は順調に回復。為替的にはドルは相場の目標はないけれど昨年来のドル高が経済を圧迫したのは事実だという部分は現状のドル安相場を肯定的に捉えている点が改めて確認されて気になる部分ですがそれは最近のご発言とそうそう異なる内容ではなかったのでここでは置いといて。

70年代後半にボルカーショックと呼ばれた超金融引き締め策で各所からの批判にも耐えスタグフレーション克服を推し進めたポール・ボルカー議長は「FRBが存在する以前から不況は存在しているので、不況はそこまで気にするものではない」とご発言、イェレン議長とバーナンキ議長の採った(自身と正反対の緩和)政策に不安はなかったかとの質問には「偉大な畏敬の念をもって見ている」とお答えになっていました。

最年長の(すでに90歳)グリーンスパン氏はテレビ会議での出演でしたが、発言は引き続きしっかりしていて米国の生産性の低さが現在も問題で金融政策だけにすべての責任を帰するべきではないと指摘する姿には巧みで難解な議会とのやり取りで「マエストロ」の名をほしいままにした当時が懐かしく思い起こされました。また「中国元がドルの脅威とは思っていない元がフロートになることは中国がより開かれた経済になることだ、それはよいことだ」とも発言され、ボルカー議長、バーナンキ議長も同意。

前任のベン・バーナンキ議長は相変わらず饒舌で「すべての重荷を中央銀行に負わせるのは間違いだ」と述べた他、彼の取った量的緩和がハイパーインフレーションやバブルを招くのではないかとの質問には、後任で昨年12月に正常路線に漸く戻したイェレン議長とともに、「結果的に経済は回復し、何の悲惨なことも起こらなかった、バランスシートは徐々に縮小していく」と反論し、議長と元副議長、チームワークのいいところをみせていました。

現職議長を交えてのディスカッションですから前任者たちが表立って批判することは考えにくいこともあり、少し消化不良っぽい内容であったのは否めないところ。
それにしてもなんだか今回は文中議長だらけになってしまいました。

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