歴代FRB議長揃い踏み
今朝方、阪谷さんが速報でイェレン議長の発言のポイントを投稿してくださっていますが、今朝アメリカで第12代ポール・ボルカー元FRB議長から現在の15代イェレン議長まで過去4代のFRB議長が一同にディスカッションに参加という珍しいイベントがニューヨークで開催されました。
International House主催のこのイベントは、映像を見る限り前任者の方々が高齢なこともあり、(この期に及んで本音のぶつけあいともならないためか?)なかなか活発な議論というわけにはいかない感じでしたが部分的には味わい深いものもありました。
FRB議長の任期は4年ですが大体二期くらいは務めていることから、就任期間にはそれぞれ難しい局面が含まれています。4人の直面した経済の状況が異なるために、残した印象も違いますが、同時点で同じ経済環境を論じると(少し残念ですが)まったく異なる見解を持つようなこともなく、むしろ協調的になるのだなぁという点は(一部本心なのかどうかは別として)ちょっと新鮮でした。
イェレン現議長の発言は、昨年12月の利上げは間違いでなく、現在はバブルではなく、雇用市場が完全に近いということで、外的不安要因はあるものの経済は順調に回復。為替的にはドルは相場の目標はないけれど昨年来のドル高が経済を圧迫したのは事実だという部分は現状のドル安相場を肯定的に捉えている点が改めて確認されて気になる部分ですがそれは最近のご発言とそうそう異なる内容ではなかったのでここでは置いといて。
70年代後半にボルカーショックと呼ばれた超金融引き締め策で各所からの批判にも耐えスタグフレーション克服を推し進めたポール・ボルカー議長は「FRBが存在する以前から不況は存在しているので、不況はそこまで気にするものではない」とご発言、イェレン議長とバーナンキ議長の採った(自身と正反対の緩和)政策に不安はなかったかとの質問には「偉大な畏敬の念をもって見ている」とお答えになっていました。
最年長の(すでに90歳)グリーンスパン氏はテレビ会議での出演でしたが、発言は引き続きしっかりしていて米国の生産性の低さが現在も問題で金融政策だけにすべての責任を帰するべきではないと指摘する姿には巧みで難解な議会とのやり取りで「マエストロ」の名をほしいままにした当時が懐かしく思い起こされました。また「中国元がドルの脅威とは思っていない元がフロートになることは中国がより開かれた経済になることだ、それはよいことだ」とも発言され、ボルカー議長、バーナンキ議長も同意。
前任のベン・バーナンキ議長は相変わらず饒舌で「すべての重荷を中央銀行に負わせるのは間違いだ」と述べた他、彼の取った量的緩和がハイパーインフレーションやバブルを招くのではないかとの質問には、後任で昨年12月に正常路線に漸く戻したイェレン議長とともに、「結果的に経済は回復し、何の悲惨なことも起こらなかった、バランスシートは徐々に縮小していく」と反論し、議長と元副議長、チームワークのいいところをみせていました。
現職議長を交えてのディスカッションですから前任者たちが表立って批判することは考えにくいこともあり、少し消化不良っぽい内容であったのは否めないところ。
それにしてもなんだか今回は文中議長だらけになってしまいました。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。