NZ中銀の金融政策結果(2018/6/28)

本日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレート（中銀政策金利）を現行の1.75％に据え置きを決定しました。今回もエコノミスト予想通りの結果となりました。

要旨内容では、経済に関してはこれまでの見方と変わっていません。またインフレに関しても原油価格上昇により高まる可能性があるも、代替稼働率の問題（価格競争力の高まり）により、インフレ上昇は緩やかになるとの予想も変わっていません。
これを受けて、NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.6790〜95米ドル付近で推移していましたが、予想通りの内容に0.6810米ドルまでNZドルが買い戻されましたが、米ドル全面高の地合いに現在は0.6770〜75米ドルまで下がってきています。0.6800米ドルにあったサポートも既に下回っているので、方向的には0.6670〜80米ドルまでトライできる位置にいます。（6月28日10：50、1NZドル＝0.6773米ドル）

尚、中銀の金融政策要旨は以下となっています。

(中銀声明要旨)

オフィシャルキャッシュレート（OCR）は1.75％のままに据え置いた。しかしながら、我々は、必要とあれば上下どちらの方向の変化にも、十分対応できるポジションにいる。

NZ経済の我々の見立ては、5月の金融政策会合時にも詳しく述べたが、雇用は持続的成長を維持できる状態にあるものの、消費者物価指数は我々目標の中央値である2％を下回ったままである。これはまだ暫く金融政策のサポートが必要な状況になっている。

世界経済の伸びは我々の生産物やサービスの需要を支えてくれることが期待されている。世界的なインフレ圧力は高まっているが、まだ緩やかなものに留まっている。この見方は幾つかの主要国間の貿易の緊張によってもたらされている。

国内では、家計や政府よる支出や投資が、成長の下支えとして期待されている。しかしながら、最近の弱いGDP産出高は、我々の期待に反して、経済の代替稼働率（注：価格競争力の進展で、代替稼働が進む）がより進んでいることを暗示しているようだ。また、政府の予想される支出推進力は当初予想より若干下がり、かつ遅れている。

CPIインフレは原油価格上昇で近々上がっていくだろう。これをいれても、インフレは緩やかな上昇に留まり、稼働率圧力の結果、年率2％の目標値に向かっていくと思われる。

持続的雇用拡大を最大限にできる様にするため、我々の与するところは金利を低く抑え、インフレを安定させることである。これはオフィシャルキャッシュレートを相当暫くの間緩和水準に置いておくことである。
（以上）

(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。

次回の金融政策は2018年8月9日（木曜日）に予定されています。