豪州中銀議事録6月5日開催分(2018年6月19日)

今回の議事要旨もこれまでと大差ありません。

豪州中銀議事録6月5日開催分(2018年6月19日)

豪州中銀議事録6月5日開催分(出所:豪州中銀HPから)

今回の議事要旨もこれまでと大差ありません。議事録公表前の為替は0.7405〜10米ドル付近で推移していましたが、公表後は10ピップス程度の動きに留まりました。
しかしながら、トランプ政権の対中貿易摩擦問題の激化から、中国との貿易額が大きい豪州ドルが売られており、現在は0.7380〜85米ドル付近で推移しています。これまで0.7400〜0.7640米ドルの豪ドル安トレンド内で推移していましが、今日の午後になりこのレンジ下限を切ってきました。これで当面0.7370米ドル、更に昨年5月底値0.7330米ドルが視野に入っています。上値は0.7400米ドルに抵抗線ができ、越えて終らないとこれまでのレンジ内には回帰できません。
引き続き豪ドルの下値模索の流れが続きます。

尚、以下は豪州中銀の金融政策の議事録要旨の抜粋をお送りします。今回も箇条書きにしています。


(議事録要旨)
(国内経済)
1 翌日(6日)に公表される第1四半期GDPについて議論を開始し、これまでの数値から少なくとも2.75%以上のGDPになることが予想される。(注:実際は前年比+3.1%の伸び)
2 これは輸出が2017年4Qより拡大し、消費・公共投資・企業投資の拡大によるものである。
3 第2四半期を見ると、これまで出た今期データでは、企業の業況は10年前の金融危機以降では最も高い水準になっている。しかし消費は元気がない。小売売上は4月が緩やかだった。

4 中銀の各支店からの報告では、例年よりも季節外れの暖かさで、衣類などの消費が抑制されている。
5 3月の住宅投資は第1四半期に幾分回復した。中銀支店からの報告では一戸建ての需要は依然強いが、アパート等は投資家や外人からの需要が低く低調気味。
6 中古住宅市場はシドニーやメルボルンで弱く、この両都市の価格は下がった。とりわけ高級住宅の価格が下がっている。それでも住宅価格は2014年初と比較して40%も高い水準にある。
7 インフラ整備などで公共投資は強いままである。
8 3月末期の四半期投資支出は非鉱山関連投資が引き続き拡大。機械設備投資が非常に強い。一方で、非居住建設(オフィスビル等)の投資は下落し、2018年や2019年も更に緩むことが見込まれている。

9 鉱山関連投資は今後、数四半期まで下落基調が見込まれている。
10 労働市場は幾分緩和され、2017年見られた早さでの拡大はないと思われる。
11 賃金の伸びは低く、安定的である。賃金価格指数は3月末期で2.1%の伸びであった。賃金の伸びが早いのは家計サービス部門で、とりわけ健康と教育産業部門である。
12 賃金は今後緩やかに伸びていくと見られる。多くの企業では熟練の技術をもった労働者を探すのが一層厳しくなっている。
13 委員達は今後の人口動態について議論した。今後10年位先まで豪州の人口は拡大し、若い年代の移民が拡大していくと思われる。これにより労働供給は著しい変化をみせ、住宅重要が強まることが見込まれる。
14 人口拡大によりインフラ整備の公共事業も拡大が見込まれる。
15 (国際経済は略、一部として)米国経済の伸びは幾分緩やかになることが予想される。これはハリケーン後の急激な回復から伸びた第4四半期の消費や投資の拡大が終わったことが挙げられる。

16 金融政策に関して、世界経済の状態はこの1年で強くなった。これは豪州からの資源輸出や商品輸出の下支えになっている。
17 主要先進国の2018年初の成長は幾分緩んでいるが、まだトレンド以上の拡大を続けている。
18 委員達は2018年末には豪州のGDPが3%を越える数値になると予想している。企業の現況はポジティブであり、非鉱山関連投資は拡大が予想されている。
19 インフラ整備中心に公共投資拡大や輸出の伸びが成長を下支えすると予想している。
20 インフレは依然低いままである。そして暫くの間この状態が続くと思われる。これは労働コストの低い伸び、小売部門の価格競争力激化によると見られている。
21 しかしながら、今後はインフレがゆっくりと上昇し、2%を越えると予想している。
22 また、低金利は豪州経済をサポートしている。それゆえ、失業率の低下やインフレ目標値への回帰が予想されているが、この進展はおそらくゆっくりしたものになると予想している。

23 現状の環境や取り得るデータを勘案し、委員会は現状の金融スタンスを維持し、これにより持続的成長に繋げ、インフレを中銀目標値内に達成できると見ている。
24 委員会は現行のキャッシュレートを1.5%のまま据え置くことを決定した。
(要旨は以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

(2018年6月19日14時30分、1豪ドル=0.7388米ドル)

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