日銀のCPオペ札割れ
すでに報道等で話題として出回っていますが、日本銀行が3月28日に実施したCPの買入れにおいて予定額6,000億円に対し6,449億円の応札があったにもかかわらず、購入額は5,304億円と予定額を割り込みました。
結果を見ると金利が-0.647%以下のものは足きりにしたということが明記されています。
日本銀行は日々の資金調節に一定の要件を満たす民間の発行するCPを買い入れ、代わりのお金を市場に出回らせるという操作を行って、量的金融緩和の手段の一つとしています
従来は「買入れには限度額を設けない」という日銀の公式見解というか市場とのコンセンサスのようなものがあったのですが今回これを破ったのはマイナス金利の大きなCPを日銀が購入すると金利の受け取りではなく支払いのため損失が大きくなること、そこを無制限に受け入れるとほかの商品の金利カーブにも影響が出かねないことなどが理由ではないかと思われますが、日銀の言う三次元の量的質的マイナス金利の緩和の「量」と「マイナス金利」が双方を阻害するような状況となっているところが、この政策に「実務的に限界があるのではないか」とか、この動きが国債に波及すると「マイナス金利に対する覚悟が足りないのではないか」とか市場の動揺を誘っているようです。
CP市場においては3月22日から証券保管振替機構がマイナス金利のCP発行に対応しており3月24日にリース会社が始めてマイナス金利のCP発行を行ったと伝えられていました。マイナス金利のCPは購入者が金利を支払うことになるため一般に出回ることは今のところ考えられませんが、「日銀買いオペ用に」発行が始まっているようです。
この日銀内での量的緩和とマイナス金利のバランスの問題は今後の成り行きを注意深く見守りたい項目のひとつです。
尚、この件が直接FX市場や株式市場に影響を与えたと思われる節はありませんでした。
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