ユーロ本日も下げ止まらず、大相場の様相
週明けの東京市場でユーロドルは安値を更新。
週明け1.1763で取引が始まったユーロドルは東京時間を通じて軟調に推移し、1.17台前半に下落。夕刻欧州勢参入後は一時1.1717をつけた後、東京時間19:00現在はやや戻して1.1750レベルで取引されています。
イタリアのポピュリズム政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」は政策合意内容につき支持者による承認を取り付け、本日次期首相候補とともに大統領に報告される見込みです。
スケジュールでは10日以内に新政権が発足、EUは域内にEU離反の考え方を持つ政権を抱え込むことになります。
新政権は財出の拡大や減税の大盤振る舞いによる経済成長を掲げており、既にECBに対し金融機関の債務削減を求める見込みであることや、財政規律ルールの逸脱の見込みなどが伝えられ先週のユーロ売りを誘った形となっていましたが、ここへ来て財源確保の手段として用いられる予定のMini-BOTと呼ばれる少額政府債券の発行が、事実上の二重通貨制の導入ではないかとの議論がイタリアの債券とユーロドルに大きな売り圧力となっています。Mini-BOTは事業主に受け取りの義務は無く、税金や公共セクターへの支払いには額面で使用可能とされるものですが、市中ではおそらく額面から割引されて流通する事になるものと見られ、これが事実上の通貨の二重レート制であり、ユーロの仕組み根本から揺るがしかねないとの懸念が週明けからのユーロの売りにつながっている模様です。
ユーロドルは4月下旬以降の大幅下落で、週足で動きを考える必要のある大相場となってきています。テクニカル的には15年来の安値である2017年1月からの上げのフィボナッチ38.2%戻し1.1709が本日ターゲットに入ってきていますが、ユーロ圏経済規模3位のイタリアのEU制度に対する挑戦は重く、1.17を割り込んだ場合には、昨年11月安値1.1554や上記フィボナッチの50%戻し1.1448レベルを意識せざるを得ない状況です。同水準には週足で200週移動平均(1.1443)、89週移動平均(1.1442)も集中しており、強いサポートとなりそうです。
序盤の欧州株価指数先物は概ね上昇して推移、本日この後は21:30からシカゴ連銀全米活動指数の発表があります。
オーダー/ポジション状況
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