豪ドル/円、上値の重い展開続く。中期トレンドも豪ドル弱気。
5/4に公表された中銀四半期報告によれば、オーストラリア経済は緩和的な金融政策の下で緩やかな拡大基調を持続しており、2018年末には3.0%の成長率を達成すると予測しています。また、企業収益も良好で雇用市場も拡大基調にありますが、その割に労働賃金の伸びが追いついておらず、今後のさらなる消費拡大へ水を差す可能性に懸念を残しています。一方8日に発表された3月の小売売上高は、市場予想の+0.2%より低い0.0%となり、この結果を受けて豪ドルは小幅軟化しましたが、市場の関心は米金利動向に向いており、再び3%台に乗せた米10年債利回りの上昇を見て、豪ドルは対米ドル、対円で弱含みの推移となっています。
チャートを見ると、直近(5/9)の日足は前日の陰線を切り返して陽線引けとなりましたが上値を切り下げる流れには変化が認められません。この日足の上値抵抗は82.70-80にあります。一方下値は、81.00-10、80.50-60に強い抵抗がありますが、これを割り込んで終えた場合はもう一段下値余地が拡がり易くなります。21日、120日、200日移動平均線は82.62、84.72、85.83にあり、この下に入り込んでおり、短・中期トレンドは豪ドル弱気の流れに変化が認められません。短期トレンドは83円台を回復して引けることが出来れば日足の形状が改善して下値リスクが軽減されますが、84円超えで越週するまでは下値リスクを残します。
一方直近の週足は小陰線で終え、単体では下げ余力の強いものではありませんが、上値を切り下げる流れに変化が認められず、この週足の上値抵抗は82.60-70にあります。一方で、中・長期的な下値抵抗が79〜80円ゾーンにあり、続落した場合でもこれには一旦跳ね返される可能性も高いと見られます。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は82.60-70と84.00-10に、下値抵抗は80.50-60と79.40-60にあります。31週、62週移動平均線は85.11と85.37にあり、収束するこれらを大きく下抜けた位置で推移しており、中期トレンドは豪ドル弱気の流れにあります。また4月足が83.81に位置する31か月移動平均線にぶつかって押し戻されており、これをしっかり上抜けて越月しない限り、下値リスクにより警戒が必要です。
豪ドル/円【週足】:(5/9現在31週移動平均線と62週線が85.11と85.37で収束しており、この下に入り込んで中期トレンドは豪ドル弱気の流れにある。)
オーダー/ポジション状況
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