トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「39.00レベルをサポートに、39.50レベルをレジスタンスとする流れ」を予想し、実際のレンジは安値が38.61レベル、高値が39.35レベルと思ったより安値が下げる動きとなりました。主要因は火曜のブリュッセルで起きた連続テロによるリスクオフの円買いの動きです。その後は急速にリスクオフの動きは収まったものの発射台が下げられた分、上昇が弱いものとなったと言えるでしょう。
なお、24日のトルコ政策金利発表は7.50%と現状維持となりました。一時的にトルコリラに売りが入る動きも見られましたが値幅自体は小さく、特に影響は出なかったと考えられます。今週は週報にも書きましたが、先々週あたりから目立つ米国地区連銀総裁のタカ派寄り発言に対して明日29日のイエレン議長講演ではどのような見方を示すのか、そしてこれまでのタカ派寄り発言でも株式市場は目立って下げる動きは見られませんでしたが、今後はどうなのか、このあたりが新興国通貨にももっとも影響を与えやすい材料となってきます。
まず、米国の利上げの動き自体は全般に高金利通貨といえる新興国通貨から米ドルへのシフトを起こしやすい材料です。年初からの大きな動きとしては原油安の動きの反転、そして海外市場における不安がかなり拭い去られたことで新興国通貨にも悪影響は出ていませんが、仮に一部で既に言われているように2016年内の米国利上げが2回から3回といった思惑が高まってくると、株安、そして新興国通貨安への連鎖につながってきます。今週末には、米国雇用統計の発表もあり、強い数字となってくると、そうした利上げ思惑が出やすくなってきます。
ただ、今週は四半期末、本邦では年度末となり新年度入りすると新たな外貨買いに対する思惑が出やすくなってきます。これは機関投資家の運用が新年度に入り活発になってくるのではないかとの思惑が強まるためです。そうなると、利上げ思惑でドル買い・新興国通貨売りの連想が出てきても短期的には、ドル買い・円売りの動きのほうが強くなるとも考えられ、トルコリラ円も含め対円での新興国通貨は比較的底堅い値動きをしやすいと考えられます。特に雇用統計前後では、ドル円でのドル買いが強まるアノマリーもありますので、今週は比較的堅調な値動きを前提にシナリオを組んでみます。
それでは、チャートを見てみましょう。今週はやや長めに4時間足チャートとしました。
トルコ円4時間足
2月は高値41.12か安値37.63まで大きな下げを見せましたが、その後は安値を切り上げる展開を続けていて、中期的にはピンクで示した上昇チャンネル、短期的には薄紫で示した上昇チャンネルの中での動きとなっていることがわかります。直近の上げでのターゲットは2月の値幅から計算される61.8%戻し39.79が先々週の高値39.72とほぼ同水準にあり、また短期上昇チャンネルの上限も今週後半には同水準へと上がってくることがわかります。
テクニカルには、この上昇チャンネルを継続する展開と見ることが妥当であり、今週は39.10レベルをサポートに、39.70レベルをレジスタンスとする流れを見ておくこととします。
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