トルコリラ円レポート月曜版(18/4/23)

先週のトルコリラ高は18日にエルドアン大統領が2019年11月に行われる予定だった選挙(議会選+大統領選)を大幅に前倒しし、

トルコリラ円レポート月曜版(18/4/23)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は目立った材料の無い中で「上値の重たい水準を想定、25.60レベルをサポートに、26.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が25.91レベル、高値が26.73レベルと、予想よりもトルコリラ高の動きとなりました。

先週のトルコリラ高は18日にエルドアン大統領が2019年11月に行われる予定だった選挙(議会選+大統領選)を大幅に前倒しし、今年6月24日に実施するとのニュースに反応したものです。なかなか不思議な動きとも考えられますが、当初前日17日に8月に前倒し実施という話が出た際にはややトルコリラ売りで反応しました。これは少なくとも海外では評判の悪いエルドアン大統領に有利に進められるであろう選挙に対する懸念としてわかります。

しかし、6月24日に実施とエルドアン大統領自らが発表した18日はそれとは逆に大きくトルコリラ買いで反応したのです。正直なところまったく理解できなかったのですが、どうも現在の景気刺激政策を1年以上前倒しでやめることが出来ることや、トルコ中銀に対するけん制をしなくてよくなることからトルコリラ高で反応したとのこと。こうなると後講釈では何とでも言えるのですが、何らかの大口のトルコリラ買いが大統領発表後に出たということはたしかでしょう。

この前倒し選挙に向けて、野党は受けて立つという流れになっていて、野党共闘の動きが着々と進んではいるようです。また、米国は非常事態宣言下(クーデター未遂移行ずっと続いている)における選挙実施に懸念を示していますが、トルコ政府はその発言を非難しています。さすがに、早期実施はエルドアン大統領にとって現状は有利ですから、これだけの材料でトルコリラを買うことは困難です。その後、週末にかけてはやや押す動きとなりました。

選挙までは、あとちょうど2か月ありますので、もう少し野党共闘の状況や支持率など様々な選挙情報が明らかになってきた時点で改めて詳細については見たいと思います。

さて、今週のトルコリラの材料ですが、トルコ中銀の政策金利発表が25日にあります。今回は3つの指標金利の内、後期流動性貸出金利(現在12.75%)の利上げが予想されています。これはトルコ中銀が引き締めに積極的な発言をしてきていることや、現在のトルコリラ安について国内外から懸念が示されていて、そのためにもトルコ中銀が一段の引き締めに動くであろうということがコンセンサスとなっています、引き上げ幅は50〜75bp(13.25%〜13.50%)といったあたりが予想されていますが、今回については利上げが織り込み済みとなっていますので、仮に利上げをしても25bpといった小幅な利上げに留まった場合も失望のトルコリラ売りとなる懸念が大きいと言えそうです。

まずは、25日のトルコ中銀の後期流動性貸出金利が最初のハードルですが、利上げがコンセンサス通りでも先週の上げに対する材料出尽くし感が広がりそうですし、もし現状維持や25bpということになると改めてトルコリラ売りが再燃するリスクが高いと言えるでしょう。

チャートも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

      トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足

      トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足

大きくはピンクの太線で示した下降チャンネルの中で直近ではピンクの細線で示した上昇チャンネルの中での動きになっているころがわかります。先週高値を抜けて来ると下降チャンネルを否定することとなりますので引き直しですが、トルコ中銀の決定次第でしょうか。ただ更に大きな流れを考えるとトルコリラ安トレンドには変化がありませんので下降チャンネルではなく、水平線を過去の高値から引くパターンに変わるだけとも言えます。

今週は先週の上げに対する調整が入りやすいと考え、25.90レベルをサポートに。26.80レベルをレジスタンスと、基本的に下降チャンネルの中での推移を見ておきます。

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