もみあい継続も抜けたらついて行く流れか(4月第1週)

先週のユーロドルは四半期末とイースター休暇が重なることもあって実需以外の取引は目立たない一週間となりましたが、

もみあい継続も抜けたらついて行く流れか(4月第1週)

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは四半期末とイースター休暇が重なることもあって実需以外の取引は目立たない一週間となりましたが、週前半はユーロ買い後半は売りと流れとしては3月高値を更新したものの1.25を試しきれず反落した格好となっています。ユーロ絡みでは目立った材料もなく連休を前に積極的な取引は手控えられていました。

ユーロにとっての好材料は、ブレグジット協議の進展によるポンド買いからユーロ買いへの波及、景気回復による緩和縮小思惑とこれまでと大きな変化は見られません。いっぽう悪材料は、今後進むイタリアの連立協議が反EUとなるリスク、そしていったんは協議中で猶予されている米国の追加関税問題がこじれる可能性、といったところですが、好材料はインパクトに欠け目新しさがありません。どちらかというと悪材料の方が今後は注意を要すると言えそうです。

しかし、今週は月曜がイースターで休み、週末には米国雇用統計と時期的には動きにくい週です。欧州の経済指標もPMIの確報値を中心にサプライズは起きにくい展開が予想されます。今週もドル円のドルの動きを見るか、ユーロ円に影響が大きい円の動きを見るか、まずはリスクオン・オフの状況を見ながら他通貨ペアの影響が主となる可能性が継続しやすいでしょう。

テクニカルにも現状のユーロドルは悩ましい状態にあります。週足レベルの長期チャートで見た場合には上昇トレンドの中でのもみあいとなっていて、今後どこかで上昇トレンドに回帰する展開を考えたいところですが、日足レベルで考えるとまさにもみあいの中にいて方向感がはっきりしない状態となっています。

日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

*日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

先週は三角もちあい(ピンクのライン)の中で上のレジスタンスに接していましたが、今週は同じ三角もちあいの中で下のサポートに接しています。週足レベルでの上昇トレンドが維持されるのであれば、多少の誤差はあってもこのサポートラインが下支えとなってくるはずです。サポートラインは1月安値と3月安値を結んだラインで現在1.23割れから1.23台前半を上昇しています。いっぽうでレジスタンスは2月高値と3月高値を結んだラインで現在1.24台後半から半ばへと下降中です。

この両線に挟まれたトライアングルの中での推移を中心とした動きと考えると1.23から1.24台半ばでの動きを経て、最終的には上に抜けやすいチャートと言えますが、最後にどちらに抜けるかは下に抜けた場合にも注意を要しますので、抜けた時にそちらについていくスタンスでよいでしょう。今週も引き続きもみあい、1.2290レベルをサポートに、1.2450レベルをレジスタンスとします。

今週のコラム

今週はユーロ円日足を見ます。

ユーロドルがもみあいを継続しやすくドル円の影響がユーロ円にも出ているとなると、ユーロ円単体としてはどのような動きをしているのかも重要です。短期的にはユーロ安の影響が気になり、ドル円も今後円高の動きを再開しやすい(週報参照)となるとユーロ円も上値が重たくなりやすいと考えた方が自然です。

こちらも日足チャートをご覧ください。

              ユーロ円日足

              ユーロ円日足

大きくは2月に高値をつけ3月23日にドル円での円高が進んだ際にユーロ円でも円高となり、128.95の安値をつけました。ドル円の下値トライ後の買い戻しで131円台後半まで先週は戻りましたが、132円前後はこれまでも何度も試して上抜け出来ない水準となっています。

短期的には2月21日高値133.06と3月高値132.43を結んだレジスタンスラインが効いていると見られ、先週の高値を切り下げる動きもこのラインのやや下で反落する動きを繰り返しました。引き続きこのラインがレジスタントなりやすいと言え、今週は131円台後半を下降中です。いっぽう下値は130円の大台が先週レンジの61.8%押し(130.04)とも重なりサポートとなります。

現状は130円の大台をサポートに、131円台後半をレジスタンスとする動きを考えておくとよいでしょう。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

4月2日(月)
**:** 豪州、香港、欧州主要市場は休場

4月3日(火)
16:50 フランス3月製造業PMI確報値
16:55 ドイツ3月製造業PMI確報値
17:00 ユーロ圏3月製造業PMI確報値
17:30 英国3月製造業PMI

4月4日(水)
17:30 英国3月建設業PMI
18:00 ユーロ圏3月CPI速報値
18:00 ユーロ圏2月失業率

4月5日(木)
15:00 ドイツ2月製造業受注
16:50 フランス3月サービス業PMI確報値
16:55 ドイツ3月サービス業PMI確報値
17:00 ユーロ圏3月サービス業PMI確報値
17:30 英国3月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏2月PPI
21:30 米国2月貿易収支

4月6日(金)
15:00 ドイツ2月鉱工業生産
15:45 クーレECB理事講演
21:30 米国3月雇用統計
26:30 パウエルFRB議長講演

前週のユーロレンジ

       始値  高値  安値  終値

ユーロドル 1.2354 1.2476 1.2284 1.2325
ユーロ円  129.52 131.81 129.47 131.01

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

3月26日(月)
 ユーロドルは終日じり高の展開、英国とEUの間でブレグジット協議が進展していることと、ドル円に引っ張られてユーロ円も大幅高となったことを背景に1.24台半ばまで上伸後に高値圏での引けとなりました。

3月27日(火)
 東京市場ではドル円とともにユーロ円も買われ後場には1.2476レベルの高値をつけましたがそこまで。海外市場に移ってからはドル円よりもドル買いの動きが目立ちNY朝方には1.2372レベルへと100ポイント以上の下げとなりました。引けにかけてはドル売りも出て1.24台に戻して引けました。

3月28日(水)
 ドル円の大幅高は影響が出ずにNY市場に入るまでは上値は重たいものの方向感の無い展開が続きました。NY市場の朝方には米国GDPの上方修正をきっかけとしたドル買いの動きでユーロドルでもドル買いとなり、引けにかけては1.2300まで下値を拡げ安値圏での引けとなりました。

3月29日(木)
ユーロドルはイースター休暇の連休を前に基本的に動意薄の流れが続きました。ただ、ドル円での実需の円買いがユーロ円でも出たことからユーロ円の下げる動きとともにユーロドルもじり安となり1.2284レベルまで水準を切り下げた後に若干戻しての引けとなりました。

3月30日(金)
月末の東京市場では実需のドル売りに押されユーロドルも1.23前後から前半へと小幅にドルが売られる動きとなりました。しかし、東京市場以降は欧州、NYとグッドフライデーで休場となることから全体として取引は閑散、海外市場に移ってからは目立った動きの無いままでの引けとなりました。

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