豪州中銀議事録(2017/12/19公表12/5開催分)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

豪州中銀議事録(2017/12/19公表12/5開催分)

豪州中銀議事録

(議事録要旨)
委員達は、世界の鉱工業生産指数が10月になり一段と伸びたことを確認しながら、最初に世界経済について議論を開始した。

(世界経済は略)

国内経済に関して、委員達は賃金の伸びが依然として低位で安定することを示唆している賃金指数を念頭に置きながら議論を開始した。9月末四半期のGDPは、賃金の伸びが3.3%であったにも関わらず、予想より幾分低かった。賃金は医療・健康セクターや教育セクターで平均よりは高かった。それを含めて幾つかのセクターは前年よるも賃金は増加している。来年以降は徐々に賃金の伸びが増加していくと予想している。

労働市場は依然としてポジティブで予想を上回る伸びを示している。10月にも雇用は少し増加した程度だが、それでも前年の平均以上である。フルタイムの雇用は急激に伸び、ここ10年間では最も早い伸びである。労働参加率も著しく伸びている。とりわけ、婦人層と高齢者層が伸びている。失業率5.4%は2013年以降最も低い数値である。そして雇用はほとんどの州で改善している。先行指標を見ると今後数四半期に亘り労働市場は拡大していくと見られる。

9月のGDPを見ると、今後の見通しは潜在成長率以上に伸びると予想している。家計消費は9月末四半期では、緩やかな伸びに留まった。これは小売や自動車販売の低迷である。10月の小売売上高は、12月四半期まで緩やかに伸びて行くという中銀支店からの報告に沿ったものであった。

住宅投資は9月末四半期では著しく下落した。これはクイーンズランドや豪州西部の低下による。しかしながら、ニューサウスウェールズやビクトリア州では依然として高水準を保っている。
中古住宅市場は軟調だった。とりわけシドニーで顕著だった。ここでは、住宅価格も下がり、入札方式の販売も下落した。また住宅価格の伸びはメルボルンでも軟調だった。しかし、人口増のおかげで、相対的には強い伸びを保っている。

非鉱山関連部門は平均以上の伸びを示している。ほとんどの企業で利益は増加し、企業投資も9月末四半期は増加した。鉱山関連投資は9月末四半期でほとんど前期と変わらなかった。
また公共投資はインフラ整備により増加している。州や連邦予算を見ると、今後も拡大していくと思われる。GDPはより高い公共投資の貢献を受け、かつ民間部門の稼いだ収益により伸びて行くと予想される。

委員達は金融市場が以前の月とほとんど変わらなかったことを確認した。ボラティリティは2017年通して低く、幾つかの国で引き締め気味の金融政策を採った地域もあるが、一般的には緩和基調を維持している。しかしながら、米FOMCは来年も利上げ継続を示唆している。それでも委員達は、米国市場のスタンスを受けたアナリスト見込みほど影響は受けないと予想している。

11月の主要な為替についてはほとんど変わりなかった。米ドルは貿易加重平均から見て、9月初旬以降少し高くなっている。これはFFレートの上げと引き締めの影響を受けている。委員達は豪ドルが貿易加重平均で5%下落したことを確認した。これは過去2年半以上では相対的に狭いレンジ内に収まっている。

(中国経済や豪州住宅市場は略)

委員達は豪州株について、ここ2年間以上は世界市場の株式の伸びやボラティリティに沿って豪州株も上がったことを確認した。
金融市場のスタンスを勘案し、委員達は世界経済の状態が2017年には改善し、先行きも上向きであることを確認した。幾つかの国で引き締めによる資金回収があるけれども、この改善は金融市場の拡大に伴って支えられている。現状は強い経済活動と低インフレのコンビで成長を支えられているが、稼働率を代替できない様なことが起きると、予想以上のインフレになる可能性があることを確認した。


また豪州の低金利は経済を下支えしていることを確認した。最近のデータを見ると、9月末四半期GDPはトレンドラインを上回る伸びを示した。生産も緩やかだが予想を上回り、企業環境はポジティブで、稼働率は依然高い。非鉱山関連の先行きは更に改善し、公共のインフラ投資の拡大も成長を下支えしている。しかしながら、消費は9月末四半期も予想通り低調だった。家計消費の先行き見通しはまだ重要なリスクになっている。これは賃金の伸び低下と高水準の家計債務が影響している。

住宅市場は一般的に軟調である。今後2〜3年で東部の首都中心にアパートの供給が増える計画になっている。中期リスクで現状でも高水準で、増加する家計債務が存在する。中銀は今後も注意深くこれらを見て行かねばならないことで同意した。

利用できるあらゆるデータを勘案し、理事会は金融スタンスを据え置くことを決断した。これにより持続的成長を支え、将来のインフレ目標達成に繋がると判断した。

委員会は現行の1.5%のキャッシュレートを据え置いた。
(要旨は以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル/米ドルは議事録内容に新味ないことから、公表後の小動きを続けています。今日のレンジも0.7656〜71米ドルの僅か15ポイントに留まっています。(12月19日14時、1豪ドル=0.7670米ドル)

オーダー/ポジション状況

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