ユーロドル 先安感雲散霧消
今朝のレポートにも書いたとおりですが、昨晩ユーロドルはドイツの第3四半期GDPの改善をきっかけに12営業日に及んだ膠着相場を離脱、一晩で1.16台半ばから1.18台を回復する動きとなりました。
途中これまで強力なレジスタンスと見られていた「ヘッドアンドショルダー」のネックライン1.1676や、転換線1.1680、21日移動平均線1.1691などをほとんど躊躇することなく上抜け、過熱感の無い緩やかな上昇を続けました。
19:00に発表となったユーロ圏の3QGDPは予想と変わらずでしたが、その時点で1.1717の基準線も越え、22:30には米PPIが予想を上ブレる形で発表となったにもかかわらずこれを無視、逆に1.1774の89日移動平均線も突き抜けて、深夜3:00過ぎに1.18台に到達してようやく一旦上昇が止まりました。
本日の東京時間はさすがに一服感が出て日中は1.1785-1.1810の狭いレンジでの横ばいに終始しましたが、夕刻16:00過ぎになって欧州勢参入とともにユーロドルは上昇を再開、東京時間18:30は1.1840台に一段高となっています。
ユーロドルは、昨晩数々の節目を上抜けて行ったにもかかわらず、それぞれの局面に加速感もストップロスの阿鼻叫喚もほとんど感じられない奇妙な「静けさ」の中での上昇となりました。また、この間もドル円はこれまでのレンジ内での取引にとどまったことから、昨晩の動きはあくまでユーロ主体のもの。結果ユーロ円も131円台から一時134円に迫るレベルまで上昇しています。
中長期のユーロ買い再開かの見極め必要
昨日の上昇により、あれほどはっきりした形に見えた「ヘッドアンドショルダー」はこれでほぼ解消したものと考えられ、ユーロの先安感は大幅に後退しました。
手元でチャートが参照できるのであれば、ユーロドルの日足のローソク足チャートに一目均衡表を重ねてみて下さい。9月を頭にする巨大な「ヘッドアンドショルダー」が、一目均衡表の雲のハンカチを振って我々に別れを告げているのを目にすることができます。
ユーロドルは一目均衡表の下限をすでに上抜けており、現在は雲の中の水準ですが、昨晩の動きは完全にテクニカルを無視したもので、ここでレジスタンスやサポートを論じる意味はあまり無いものと思われます。一日二日はこのユーロ買いがどこまで続き、何を持って止まるのか、これは、本格的な中長期のユーロ高再開を意味する動きなのか等今後の方向性を見極める必要があります。
今晩この後は19:00にプラートECB理事講演、ユーロ圏9月貿易収支、 22:30NY連銀製造業景況指数、そして同時刻に米10月のCPIと小売売上高の発表、その後24:00 米国9月企業在庫、24:30には米国週間原油在庫の発表があります。
序盤の欧州株価指数先物はユーロ高によりほぼ全面安の商状です。
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