ニュージーランド中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。エコノミスト予想通りの結果です。
要旨内容は前回会合(9月)とほぼ同じ内容となっていますが、中銀はNZ新政権発足による新規経済政策に触れており、この内容を好感したNZドル買いがでた模様です。シカゴポジションもNZショートでしたので、この分のショートカバーが出たかもしれません。
NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.6920米ドル付近で推移していましたが、公表後は0.6970〜75米ドル付近までNZドル買いとなり、現在は0.6950米ドル付近で推移しています。0.6950〜60米ドルにあった抵抗線を上抜けましたが、現在はこの抵抗線内に引き戻されています。
今回、上値抵抗線0.7010米ドルまでは届かず、またNZドル弱い状況から脱する0.7050米ドルまでは依然としてかなり厳しい状況です。一方で下値は0.6890〜90、0.6810〜20米ドルにサポートあります。まだNZドルが弱い流れの中にいます。(11月9日10:40、1NZドル=0.6946米ドル)
中銀の要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
理事会は本日、オフィシャルキャッシュレートを1.75%のまま据え置いた。
インフレや賃金が依然弱い状態にあるけれども、世界経済は引き続き改善している。商品価格は相対的に安定している。債券のイールドや信用スプレッドは低いままで、株価は新値を更新している。先進国の金融政策は緩和基調を維持しているが、次第に追加緩和の状況は少なくなっている。
為替レートは8月に議事録以降は弱くなっている。もし持続できれば、貿易面でのインフレが上昇でき、よりバランスとれた成長を促進する。
6月末期のGDPは、それ以前の2四半期連続の弱い数字から脱却し、予想に沿って幅広く拡大した。雇用は強く、GDP成長は予想通りに強くなっている。但し、緩和基調継続、強い貿易、財政政策により、住宅や建設の弱い見通しを相殺している。
中銀は新政権が4つの分野で出した政策について初期見通しを分析した。この新規政策は、新たな財政支出、KiwiBuild programme(10万戸の高品質住宅の建設)、入国ビザの厳格化、財政刺激策の増加である。
住宅価格インフレは住宅価値に対するローン制限、外需低下、信用状態調査の厳格化などによって緩やかな上昇に留まっている。低い住宅価格インフレは今後も続くと予想され、それが新政権の住宅政策によって強化されると見られる。
年率のCPIは9月末期に1.9%になった。現下のインフレはまだ弱い。非貿易インフレはまだ緩やかで、今後も稼働率上昇により、緩やかな上昇予想である。貿易インフレはNZドル安と原油価格上昇で高まった。しかし、世界的な低インフレで先々は弱まると予想される。結局、CPIのインフレは中銀目標値の中間に留まることが予想され、長期的にも2%程度になると見られる。
金融政策は暫くの間、緩和基調を続けるだろう。幾つかの不確実性が残され、金融政策によりこれを調整していくことになる。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2018年2月8日に予定されています。
(以上)
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