豪州中銀議事録(8月1日開催分)(2017/8/15)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

豪州中銀議事録(8月1日開催分)(2017/8/15)

豪州中銀議事録

(出所:豪州中銀HPから)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

(議事録要旨)
委員達は、6月末期のインフレ指標をベースに、まず国内経済から議論した。この6月末期の数値は中銀の予想に沿ったものであり、2016年以降インフレが着実に上昇している確信を持てるデータとなっている。6月末期のインフレは0.5%で、現下のインフレとしては若干下回っている。CPIと関連するインフレ指標みると、年末には年率ベースで2%を若干下回る水準で推移することになりそうだ。

非貿易インフレは6月末期で過去2年間では最大の率となった。これはタバコと公益料金(水道・ガスなど)の上昇によるもの。サービスインフレも上昇したが、依然低いままに留まっている。このセクターの全コストの約半分は労働コストで占めている。建設インフレは新築建設のコストは上昇したが、対照的に賃貸は平均以下の伸びになっている。

貿易消費耐久財はここ1年では下落した。これは為替(豪ドル)高が影響している。海外小売売上業者との価格競争が厳しくなっている。食料品インフレはここ数年間で低い位置に留まっている。原油価格はこの期に下落した。しかしながら、年間では0.2%の上昇に貢献した。

委員達は豪州統計局が2017年12月期のCPI発表から、CPIの内容がアップデートされることを確認した。これは最近の消費者の支出行動を反映したものが加味される。これによれば、CPIは下がる要素になると報告されている。これはCPIを下げているアイテムが高まるからである。一方で価格を上げていたアイテムが下がるからである。

国内経済の概観についての議論はGDPやインフレは概ねここ3か月前と変わらないと見ている。先行き見通しは、予想期間内で豪ドルの水準が変わらないとの前提に立っている。これは2019年までの予想の中で、不確実性の高い要素になっている。

現下のデータを見ると、予想外の3月期GDP減少後、6月末期のGDPは伸びた。GDPは2018年と2019年の終わりには約3%に達すると予想している。これは潜在成長率よりは高い。最近のデータでは消費の伸びが6月末期に伸びている。これは4月と5月の小売売上高の伸びを反映している。そして増加の背景として、幅広い消費アイテムまで拡大している。6月末期は増加した雇用と強い所得が反映したものと見ている。雇用や所得は平均以上だった。

住宅投資は3月末期の弱い状態からは回復している。3月末期は悪天候の影響を受けた。住宅投資は依然強い状態を保っているが、新築の居住用住宅許可件数は2016年以来減少傾向を辿っている。もし許可件数が現状程度で推移すると、建設活動は幾分下がり始める。

企業活動に目を向けると、鉱山関連は6月末期に成長をサポートしてくれた。これは資源輸出量が好調だったからである。もはや資源関連セクターが成長を阻害することは無くなったようである。先々の見通しでも、資源輸出がGDP成長に貢献してくれると期待している。

非鉱山関連の企業活動は遅れて回復している。最近のNAB(ナショナル・オーストリア銀行)の企業調査をみても、投資行動は先々ポジティブであり、GDPには好影響となる。

委員達は最近のデータにより労働市場の改善が続くことを示唆していることを確認した。雇用はどの州でも2017年以降拡大した。これは鉱山関連の州を含んでのことである。今期、16万5000人のフルタイム雇用が拡大し、参加率や平均時間は上昇した。失業率は5.6%で横這いだったが、先々は5.5%以下に改善すると予想している。最近の雇用改善や所得の増加は消費に繋がると期待している。しかしながら、低い賃金の伸びや大きな家計債務は消費を抑えるかもしれない。

もし賃金の伸びが予想を越えていけば、インフレは急激に上昇するかもしれないが、賃金や価格インフレは予想したほど上昇していないし、先行きも豪州のインフレを低いままにするとみている。インフレ見通しは今後2〜3年で2〜3%の間になると予想している。

(国際経済と金融市場は略)

低インフレ下で、高い家計債務へのリスクバランスを取る必要と利用できる現状のデータから、委員会は現行の金融政策の据え置きを決めた。これにより経済の持続的成長と先々のインフレ目標の達成ができると判断した。
委員会はキャッシュレートを現行のまま1.5%に据え置いた。
(要旨は以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル/米ドルは議事録公表前0.7860米ドル付近で推移していましたが、公表後は0.7875〜80米ドルまで小幅高となり、現在は0.7855米ドル付近で推移しています。内容的にはこれまでの議事録と大差ありません。この0.7850〜60米ドルは強いサポートになっており依然として下抜けていませんが、上値は切り下がりを続けており、下抜けそうな流れにいます。ここを切れば0.7770〜80米ドルにあるサポートを試し、0.7710米ドル付近までの下落余地が広がります。
逆に、豪ドルが弱い状態を抜け出すには最低で0.7930米ドル以上で終わる必要があり、豪ドル高トレンド回帰には0.80米ドル台乗せが欲しいところです。
(8月15日14時45分、1豪ドル=0.7854米ドル)

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