ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は円高のリスクを考え「8.35レベルをサポートに、8.60レベルをレジスタンスとする週」としました。実際のレンジは、安値が8.16レベル、高値が8.51レベルと、思った以上にランド安・円高が進む動きとなりました。
先週は週を通して対ドルでのランド安が目立ちました。週初にムーディーズが直近の南アフリカの利下げについて、短期的な経済成長には効果が出ても、長期的には構造改革が必要とのレポートを出したことをきっかけにランド安が進みました。週初始値では13の大台以下でスタートしましたが、同レポートで13.20まで上昇、その後週半ばにはいったん13.25を中心としたもみあいとなりましたが、木曜には雇用統計を前に再びポジション調整によるランド売りが見られ、金曜雇用統計ではドル買いからランド安のまま一週間を終えました。
いっぽうドル円は皆様も御存知の通り上下しながらもドルの底固めとなり、雇用統計では一時的に円安に振れたもののドルの上値が重たい流れに大きな変化はありません。結果として、ランド円は週初に下げた後、もみあいを挟んで週後半に再び下げる動きとなったわけです。
今週は、いよいよズマ大統領の不信任投票が8日に行われます。これまで不信任投票を前に野党は議長に対して秘密投票の実施を求めてきました。秘密投票となった場合には、ズマ大統領の不信任案が可決される可能性が高く、ズマ派の議長としては結論を延ばし延ばしで、ここまで来ていたのですが本日秘密投票とするかどうかの決定をすることになりました。
結論は蓋を開けてみるまではわかりませんが、秘密投票での実施=ズマ大統領不信任可決の可能性=短期的政治混乱、という流れからランド売りも出るでしょうし、将来的な期待からランド買いもでるかもしれません。明日の不信任投票を前に、本日のほうがランド市場にとっては大きな一日となるものと予想されます。
一番ありそうなのは、やはり秘密投票は行われずに明日の不信任投票を迎え、結局はズマ大統領が続投することによる安定ではあるものの、大きな改革は見込まれないという失望のランド売りでしょうか。いずれにしても、先週までの流れからランド安にはずみが付く可能性がありますので、十分な注意が必要な週初となります。
チャートをご覧ください。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)です。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
中段のドルランドは7月のドル高値13.628に着実に近づきつつあり、その結果ランド円は先々週半ば以降はピンクの狭い平行線で示した下降チャンネルに沿ってランドが売られている動きとなっています。下にある8.09の水平線は5月安値ですが、その下のサポートとしては心理的な節目の大台8.00、そして年初来安値の7.90という大きなサポートがあります。これらは下の日足チャートを参考にして下さい。
ランド円日足
まずは、8.09を下値の目処にしながらもここを抜けてくると一気に8.00の大台、そして年初来安値といったピンクのまるで囲った水準へのランド安の動きにつながるリスクが非常に高いと言わざるを得ないでしょう。
今週は下値不安が大きいため、ある程度下方向への余裕を見て、年初来安値7.90をサポートに8.35をレジスタンスとする流れを見ておきます。
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