ユーロ概況と週間見通し
先週のユーロドル相場はドル動向主体の動き。FOMC前後のドルの乱高下に左右される形となりました。
ユーロドルはFOMC前の米CPI悪化によるドルの急落局面で一時1.1296と昨年11月来高値を更新したもののその後は21日移動平均を下回る動きとなり、1.1198と1.12をやや割り込む水準で越週しています。
6月15日の海外時間にはEUとIMFの間でギリシャ支援策がまとまり、不安視されていた7月のギリシャ債務の一部返済期日の到来は問題なくクリアできる見通しとなりましたが、ユーロ買いにはつながりませんでした。
週明けのオセアニア市場でユーロは堅調に推移、1.1200近辺での取引となっています。
週末実施されたフランスの国民議会(下院)選挙決選投票ではマクロン大統領の新党「共和国前進」が63%程度の得票率で577議席中の350議席程度を確保した模様です。
当初予想された400議席超の議席獲得はなりませんでしたが二大政党が大敗する中過半数を大きく上回る議席を獲得し、マクロン大統領が思い描く政策を実施するには十分な議席といえ、欧州の政治リスクは大幅に後退したといえます。
ただ、マクロン新党の大勝は予想された結果であり、獲得議席数も当初予想よりやや減少していることから為替市場への影響は限定的でした。
また、今週から英国のEU離脱交渉が開始されます。メイ首相の圧倒的支持のもと強硬に離脱交渉をするという思惑は選挙戦敗北ではずれ、英国にとっては厳しい離脱交渉となりますが、これがユーロ圏にとって有利となるのかは不透明で、双方がマイナスの可能性も大きく長期的には結局ユーロにとっても不安材料ともなり得ることから要注意です。
先週はユーロを支える材料が多かった割にはユーロは伸び悩んだ印象です。一連のリスクイベントを終えてそれまで積み上がってきたユーロ買いのポジションに一部調整の売りが出やすくなっていることが背景と考えられますが、ユーロ圏の政治的な安定、経済的な底堅さに変化はなく、ポジション調整後は再び上値を目指す動きとなるものと思われます。
チャート上も、これまでサポートとなってきた21日移動平均線(週初は1.1214レベル)が頭を押さえる一方で、FOMC翌日のドル買い局面でのユーロ安値1.1132を切り下げる動きも無く、どっちつかずのやや不安定な位置どりとなっており、しばらくは大きなイベントも無い中で週前半はどちらを抜けていくかを見極める動きとなりそうです。
週間の予想レンジは1.1100−1.1300
オーダー/ポジション状況
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