ドル円見通し 下落一服、8日夜のイベント待ち (6/8)

先週末の米雇用統計をドル安円高加速要因として急落したが5月18日安値110.23円割れ回避で6月5日は下げ渋っていた。

ドル円見通し 下落一服、8日夜のイベント待ち (6/8)

<概況>

先週末の米雇用統計をドル安円高加速要因として急落したが5月18日安値110.23円割れ回避で6月5日は下げ渋っていた。しかし6日午前からの下落で週末安値、さらに5月18日安値を割り込んで一段安入りとなり、7日夜はさらに続落で109.11円まで下げた。
6月8日に英国総選挙、ECB金融政策発表とドラギ総裁会見、米上院公聴会でのコミー前FBI長官証言と重要イベントを控えてリスク回避感が先行したことも円高の大きな要因だった。
7日夜安値では109円割れをひとまず回避、8日夜のイベント前のポジション調整も入って買い戻された。またコミー前FBI長官が証言前の書面を上院に提出、その内容に新たなロシアゲート疑惑拡大・大統領弾劾への材料となるようなものが見当たらなかったとしてドルが反発、ドル円の戻りにも寄与したようだ。

8日朝、4月の本邦国際収支の発表があり、経常収支は市場予想の+1兆6988億円を上回る1兆9519億円となったが、GDP二次速報は前期比が一次速報の+0.5%、予想の+0.6%を下回る+0.3%となり、前期比年率が一次速報の+2.2%、予想の+2.4%を下回る+1.0%となった。これはら強弱材料交錯でドル円の方向性を大きく決める要因とはなっていないようだ。

【前FBI長官証言・ECB理事会・英総選挙】

米FBIのコミー前長官は上院情報特別委員会の証言に先立って証言書面を提出したが、トランプ大統領から一部捜査の打ち切りなどを求められ、圧力をかけられたとの経緯を示したものの、従来から知られている内容以上の新材料はなかったとして市場はややリスク回避感が後退、米長期債は下落(利回りは上昇)、ドル円の反発に寄与した。
同長官の上院情報特別委員会での証言は日本時間の8日23時から予定されている。

欧州中銀ECBは日本時間20時45分に金融政策を発表、21時半からドラギ総裁会見がある。昨晩はECBが予想インフレ率を下方修正するのではないかとの見方が報じられたこともあって一時ユーロドルが急落したが、その後は反発している。ドラギ総裁が金融緩和政策の長期化を示唆すればユーロ安円高、出口戦略を意識させる場合はユーロ高円安の可能性がある。現状維持で玉虫色の内容なら一時的な乱高下の後は落ち着くとみる。

英国の総選挙は日本時間8日午後3時から9日午前6時にかけて投票。その後に大勢判明と思われる。ポンド/ドルは5月31日夜以降、ややジリ高で推移している。メイ首相率いる与党保守党勝利とみられているが、勢力を落とす場合等は先行き不透明感からポンド安円高のきっかけとなる可能性、金融市場全体がリスク回避感優先で円高となる可能性がある点に注意する。

【60分足 一目均衡表、相対力指数、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、相対力指数、サイクル分析】

60分足の一目均衡表では6月2日夜の急落で先行スパンから転落、遅行スパンも悪化し、両スパン悪化の状態が昨晩深夜まで続いたが、8日未明への反発により遅行スパンが好転、先行スパンに潜りこんで先行スパン上限に迫っている。

60分足の14本相対力指数は2日深夜と6日の安値との間で強気逆行=相場が安値更新したのに対して指数が横ばい、6日夜安値から7日夜安値への下落に対しては指数が切り上がる形の強気逆行となり、リバウンドで60ポイント台を試しに入っている。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、5月31日深夜安値から5日目となる6月7日夜安値で目先の底をつけて戻しに入っていると思われる。このサイクルの次の高値形成期は2日午後高値を基準として8日の日中から9日午後にかけての間と想定される。8日夜のイベント動向により上昇継続なら8日深夜、9日の日中へ続伸しやすいが、イベント開始前の下落再開、ないしはイベント反応から下落の場合は7日夜安値試し、さらに底割れの場合は新たな弱気サイクル入りとして次の安値形成期となる12日から14日にかけての下落となる可能性が考えられる。

現状の戻り抵抗は先行スパン上限と重なる110.00円前後、急落前の持合い圏安値である5月18日安値110.23円から6月2日安値110.33円にかけての間までとみる。日足レベルの転換線110.41円や200日移動平均線110.36円辺りの抵抗ラインが観測されているだけに、110.50円超えへと上昇の場合は6月2日夜からの下落に対する揺れ返しの反騰入りとして111円台回復へ向かう可能性も出てくるかもしれない。
当面、110円から110円台序盤を戻り抵抗とし、109.50円前後までを支持線とし、今晩のイベントを迎えるのではないか。(了)<9:45執筆>

【本日の予定】

6月8日
(中) 中国5月貿易収支 (4月 +380.5億ドル、予想 +478.0億ドル)
(英) 英総選挙
(米) コミー前FBI長官、米上院情報特別委員会証言
(欧) 20:45 欧州中央銀行(ECB)理事会、政策金利発表 (現状 0.00% 予想 据え置き)
(欧) 21:30 ドラギECB総裁記者会見

オーダー/ポジション状況

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