<概況>
4月17日東京市場前半に108円試しへの下落となったが、108円割れを回避して18日は一時的に109円台を回復した。しかし109円台を維持できずに19日朝への下落で再び108円割れを試す。ここも108円割れを回避して19日深夜にかけて109円台を再び回復したが、維持しきれずに下落という状況。
110円割れ試しの3月27日から4月7日にかけても何度か110円割れを回避して戻すのだが、結局は底割れした。今回も同様の展開になるのか注目されるが、今のところは109円を回復しても維持できず、110円割れ回避での持合い時よりはややレンジを狭くして持ち合いとなっている印象だ。
4月11日からのドル円急落はトランプ大統領ツイートで朝鮮半島有事リスクが高まったこと、さらに13日未明のドル高牽制発言(WSJ紙インタビュー)がきっかけであったが、17日までの下げでこの流れは一服している。大統領のドル高牽制発言については財務長官が「ドル高の現状を指摘した」に過ぎず、米国としてドル安へ政治介入する意図ではないという旨をFT紙インタビューで述べており、ひとまず落ち着いた。
北朝鮮情勢も、週末の軍事パレード、ミサイル発射失敗に対する米国側のリアクションが有事リスク感を拡大するものではなかったため、これも一服している。国連安保理での北朝鮮非難声明について議論されたが、ロシアが反対して声明は出されなかった。この類の声明はこれまでに何度か出ており、真新しいものではない。また中国が今回は反対しなかったことが注目された。
朝鮮半島へ北上中と報道されていた米空母カールビンソンもまだ南方に待機している状況であり、空母接近、日米韓の大規模軍事演習による緊張激化等は見られない。来週25日の建軍記念日へ向けて再びリスク感が拡大する可能性はあるので、有事リスクが後退したとまでは言えないが、暫く様子見というところだろうか。
米FRBのフィッシャー副議長は19日、ワシントンでのパネルディスカッションで、FRBによる金融政策の正常化は「緩やかに進む」、海外の下振れリスクはここ数年「大幅に縮小」していると述べた。従来のスタンスと変わらず。
米ボストン連銀ローゼングレン総裁は19日のニューヨーク州講演で、保有資産縮小は「比較的早期に開始できる」、それによって「利上げペースを大きく変えるべきではない」と述べた。同総裁選はFOMCの投票権はないが、これも従来のスタンスを継続している印象。
総じて材料、環境的には円高一服の小康状態であり、新たなきっかけ待ちと思われる。
【60分足 一目均衡表分析】
19日夜への上昇で60分足の一目均衡表では遅行スパンが好転(実線を上抜く)、先行スパンも上抜いてきている。20日未明へやや下げたが両スパン好転状態は維持されているので、戻り高値を試す可能性がある。
109円台に乗せ、維持できるかどうかがポイントだが、仮に18日高値を上抜いてくる場合、17日朝安値に対して19日朝安値が切り上がり、18日高値に対しても戻り高値が切り上がる形となるため、17日安値と18日安値を底割れ回避型のダブル底としてもう一段高へ戻しに入る可能性が出てくる。その場合、上値目処は109.50円台から13日未明高値109.86円前後まで切り上がってくる可能性がある。しかし、高値を更新しても109円台を維持できずに失速する場合及び高値更新できずに108.50円割れしてくる場合は、109円台序盤から108円台序盤までのレンジによるボックス型持ち合いに留まり、ボックス上限到達後はボックス下限をもう一度試すという流れになりやすくなると思われる。
先行スパンを上回る内は高値更新の可能性ありとしつつ、先行スパンから転落開始なら108円試しを想定する。
108円割れの場合は17日からの下げ渋り持ち合い終了、下放れにより、107円台序盤への下落(持ち合い幅の倍返し)を想定したい。(了)<10:00執筆>
【今日から明日への主要イベント】
4月20日
G20財務相・中央銀行総裁会議(於;ワシントン、21日まで)
8:50 日 3月貿易収支 (予想)+5758億円、(前月)+ 8134億円
21:00 米 パウエルFRB理事、講演
21:30 米 新規失業保険申請件数 (前週)23.4万件
21:30 米 3月フィラデルフィア連銀製造業指数 (予想)26.9 (前月)32.8
23:00 米 3月景気先行指数 (予想)0.20% (前月)0.60%
4月21日
国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季総会(於:ワシントン、23日まで)
13:30 日 2月第3次産業活動指数 (前月)±0.0%
22:30 米 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
オーダー/ポジション状況
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