日経平均反発、日銀短観改善で
新年度明けの東京市場では早朝に発表となった3月の日銀短観が総じて景況感の改善を示す内容となった他、設備投資の堅調さも裏付けられたことなどから朝方日経平均株価が上昇、一時19,000円を回復する動きとなりました。
しかしながら短観の中で最も注目されている大企業製造業の指数が12と前回10から改善していたものの事前予想の14にはとどかなかったこと、日中ほかに材料らしい材料もなく、米国の政治的な不透明感に再び関心が戻ったことなどから反落、結局終値は68円高の18,977円で終了しています。
一方ドル円は111円台大半の取引が前週海外終値近辺の111円台前半のまま、小動きに終始しました。
6日、7日に行われる米中首脳会談を前にFT紙がトランプ大統領をインタビューし、その中で北朝鮮問題について、「単独解決も辞さないと表明した」と報じられています。
ただ、詳細はまずは北朝鮮問題を影響力のある中国に解決させようとする内容で、その中国に解決を促す動機として貿易不均衡問題が挙げられています。
曰く、「中国は北朝鮮問題についてわれわれを助けるかどうか決めなければいけない、もし協力するならそれは中国にとってとてもよいことになるだろう、協力しなければ誰にとってもよいことにはならないだろう」「為替操作や通貨切り下げにおいて中国はチャンピオンだ、私はこれまでの政権になかった解決の糸口を持っている」。
そして、「もし、中国が北朝鮮問題を解決しようとしないのであれば、われわれがやる」と。
この内容からは、今回の米中会談でトランプ政権は貿易不均衡問題を材料に使って中国に北朝鮮問題への更なる関与を迫り、聞き入れられないようであれば、北朝鮮問題は自国単独で「解決」し、中国には為替操作国認定なりをして貿易不均衡の是正を迫るという流れのように読めます。
しかし、それならば中国が北朝鮮問題への関与を深めれば、米国は貿易不均衡や為替操作に目をつぶるのかとか、そもそも北朝鮮問題と貿易不均衡の問題のように次元の異なるテーマにトレードオフの関係があってよいのか、とかいろいろ疑問は残ります。その意味でも今週末は雇用統計も材料ですがやはり米中首脳会談からは目が離せなさそうです。
今晩米国では22:45にMarkIt製造業PMI確報値、23:00ISM製造業指数、建設支出
23:30 NY連銀総裁講演28:00 フィラデルフィア連銀総裁講演等が予定されていますが、中でもNY連銀のダドリー総裁は先週末に最近のFRB関係者の発言とはトーンの違う利上げに消極的とも取れる発言をしており、講演の内容に注目が集まりそうです。
序盤の欧州株価指数先物はまちまち、ドル円は111.40近辺の取引です。
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