豪州中銀・金融政策決定会合要旨
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
今回の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済はここ数か月で改善傾向にある。企業や消費者の信頼感指数は上昇している。不確実性は残しているが、先進国の幾つかは予想以上の成長を示し、中国の成長はインフラ整備支出や不動産建設等で支えられている。世界経済の改善は商品価格の上昇をもたらした。結果、豪州には好結果となった。
インフレ率は多くの国で上昇し、長期金利は昨年よりも上昇した。これは商品価格の上昇による要因も反映している。但し、歴史的みて、インフレはまだ低い水準にある。資本市場は機能的に動いており、株式市場はほとんどの市場で上昇した。
豪州経済は鉱山関連ブームの終焉により成長の過渡期を継続している。それでも2016年は約2.5%の成長となった。輸出は非常に強い伸びを示し、非鉱山関連投資は過去数年間で上昇した。企業や消費者の信頼感指数は平均かそれ以上になっている。消費の伸びは、家計収入が低いままだったが、年末にかけて拡大した。
先々の見通しも、低金利によって下支えられている。金融機関の貸出は依然良好を保っている。為替は2013年以降豪ドル安となり、これが鉱山関連での成長鈍化からの移行期経済を支えた。だが、通貨高はこれらの調整を複雑化してしまう。
労働市場は依然強弱混在している。失業率は安定的に推移し、5.75%付近にいる。但し、雇用の伸びはパートタイムの拡大に偏っている。先々の雇用はまだ拡大傾向が期待できる状況にある。
インフレは依然として極めて低い。労働コストも低いままである。まだインフレは暫く低い水準で推移すると予想している。インフレは2017年終わりに向けて上昇し、2%以上になると予想している。
住宅関連は国内では千差万別になっている。幾つかの市場では非常に強く、価格は明らかに上昇している。他の市場では価格が下がっているところもある。東側の首都圏近くでは依然アパートメントの供給が続き、今後2年間位は拡大続く見込みである。賃貸物件は過去20年間では最低の伸びとなった。
現在利用できる情報を基に、委員会は現状のキャッシュレートを維持することと判断した。これにより持続的成長となり、目標インフレに到達できると見ている。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
今回は、前回以上に自国経済の拡大に自信を深めている内容になっています。豪ドル高に関する記述も変わりなく、どちらかと言えば豪ドル前向きの内容になっています。
豪ドル対米ドルは金融政策発表前に1豪ドル=0.7590米ドル付近で推移していましたが、発表後は0.7625米ドル付近まで買われ、現在もほぼ同水準で推移しています。先週木曜日以降の豪ドル売りの巻き戻しが入っています。先週までの0.7520〜30米ドルサポートを守り、逆に0.7630米ドルの抵抗線を越えられるか、重要な上値ポイントにきています。ここを越えて終わると、再度0.7710米ドルの抵抗線を試す流れに入れますが、積み上がったシカゴポジションを勘案すると、豪ドル高にも限界が出てきそうです。(3月7日13時55分、1豪ドル=0.7624米ドル)
尚、次回金融政策会合は2017年4月4日(火曜日)に予定されています。
(以上)
オーダー/ポジション状況
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