政治リスクからユーロ売り圧力(週報17年2月第4週)

ユーロは今週も、ユーロ圏の政治リスク、やはりルペン・リスク、3月の選挙を控えたオランダ・リスク、からのユーロ売り圧力が強いでしょう。

政治リスクからユーロ売り圧力(週報17年2月第4週)

ユーロドル:2月20日からの先週

ユーロ圏の政治の不透明が中心話題でした。フランスの大統領選挙を控え、極右政党の国民戦線のルペン党首の優勢報道で、1.0633から1.0493までリスク・オフの後、その大統領選挙での中道派の候補同士の協力との報道で1.0618へ戻す、こちらも不安定な週でした。

20日は、前週引けの1.0612からややギャップダウンの1.0603で始まり、NY市場がプレジデンツデーで休場となる中、高値1.0633、安値1.0602の狭いレンジでもみ合い、1.0613で引けました。

21日は、前日引けの1.0611で始まり、21日高値の1.0615を早々に付けた後、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の先週末のインタビューでの「現時点で3月利上げを排除しない」との見解を材料にドル買いが先行。 米国10年債利回りが前日の2.42%台から2.45%台まで上昇で、21日安値の1.0523まで下押しした後、1.0536で引けました。
この日は、EU離脱の是非を問う国民投票の実施を掲げる、仏極右政党、国民戦線のルペン党首が、4月の仏大統領選挙での支持率を上げていると報道され、欧州の政治的不透明感からユーロ売りが優先しました。

22日は、前日引けの1.0536で始まり、仏大統領選に関する世論調査でのルペン候補の支持率上昇を材料にユーロ売りが優先で、欧州時間に入り22日安値の1.0493まで下値押ししました。NY 時間に入り、公表されたFOMC議事録に、一段のドル高の下方リスクに言及した箇所がありドルの売り戻しが加速。また、仏大統領選挙を控え、中道のバイル候補が不出馬を表明、かつ同じ中道のマクロン候補を支持するとし、極右ルペン候補勝利の確率が低下、ユーロの買い戻しとなり22日高値の1.0574まで上昇し。1.0557で引けました。

23日は、前日引けの1.0557で始まり、ムニューシン米財務長官のドル高発言でユーロドルは23日安値の1.0537まで下押し。
その後、米10年債利回りが2.38%台まで低下、ドル売りが優勢になりユーロドルは23日高値の1.0595まで上昇。今度はムニューシン米財務長官の「ドル高にはいくらか問題がある」との発言が材料となり、トランプ政策はドル安誘導との思惑が広がったため、1.0581での高値引け。

24日は、前日引けの1.0581で始まり、前日のムニューシン米財務長官のドル高懸念発言を材料に、欧州時間の中盤に入るまで、24日の高値1.0618までじりじりと上げました。その後NY時間に入り、24日の低値1.0556まで下げ、1.0559で引けました。
市場では3月FOMC での利上げを含めた早期の利上げ期待が後退して、米10年債利回りが一時2.31%台割れまでという、1月17日以来の低水準まで低下した事がきっかけで。


ユーロドル:2月27日からの今週

ポイント:ユーロは今週も、ユーロ圏の政治リスク、やはりルペン・リスク、3月の選挙を控えたオランダ・リスク、からのユーロ売り圧力が強いでしょう。

CME通貨先物ポジション状況:2月21日時点
(2月21日)(2月14日)(2月7日)
円   ▲50162 ▲51284▲55060
ユーロ ▲58251 ▲46764▲44951
ポンド  ▲66352▲65528 ▲64539

シカゴIMM:短期投機・投資家によるユーロのネットポジション売持高、今週は大きく増加、ピークの140000枚からは約58%強減。

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
11.50(-0.21)VIX指数は下落しての引け。

ユーロドルは、大きな流れはユーロ安の方向との見方は変わりありません。
1.3月15日のオランダでの選挙
2.4月23日の第1回投票からのフランス大統領選挙
3.ギリシャの債務問題
と、ユーロが抱える問題も引き続き変わりません。

特に先週から、フランスの大統領選への報道量が増えてきていて、それに降らされての売り買いも増えています。
市場の織り込みとしては、極右政党党首のルペン候補の勝利の可能性がやや後退していて、それに比例する格好で、
リスク・オフのユーロの売りもやや後退しています。

ギリシャの債務危機に関しては、大きな償還金支払いは7月とまだしばらく先なのですが、3月末に向けての債務返済と追加支援の問題もリスク・オフとして無視できず、今後もIMF 等との協議を見守ってゆくしかないでしょう。


13日からの前週が上値からの下げへの行って来いであったのに対し、先週は下値模索から上値戻しの行って来い、週初も引けも1.0600水準でした、
2月20日の 1.0602 〜 1.0633
2月21日の 1.0525 〜 1.0615
2月22日の 1.0493 〜 1.0574
2月23日の 1.0537 〜 1.0595
2月24日の 1.0556 〜 1.0618

テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
先行スパン2が 1.0820 で横ばい
先行スパン1が 1.0558 で横ばい
実勢値    1.0559 24日引け
転換線が    1.0586 で横ばい
基準線が    1.0661 で横ばい

まだ、昨年5月3日の1.1616からの下げのトレンドの中にいます。
日足の一目均衡表の先行スパンを上抜いてこない内は、下方向への流れの可能性が依然高いと想定します。
テクニカルは、日足の一目均衡表の実勢値が基準線と転換線とを下抜けて、両線の下で推移している状況では、足元の勢いは下向きとの判断は変わりません。
ただ、依然先行スパン1の1.0552と、先行スパン2の1.0821に挟まれた領域にあるので、ドル円相場と同様に、
この何れかの先行スパンを抜けて来ない内は、方向は出ません。

上値目途は、転換線、基準線、その上の節目としての1.0700。そこを回復してくれば、横ばいで推移している先行スパン2の1.0821と、2日の高値でかつ年初来高値の1.0829。
下値目途は、目先近いのですが、上昇中の先行スパン1の1.0558と見ます。

方向感がハッキリしない内は、1.0586の転換線を下回って推移している内は、安値更新の可能性ありと判断します。ここを上抜けて、基準線を上抜けする場合には上値目途を意識した展開と想定します。

予想レンジは、引き続き1.0400~1.0600 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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