日経平均大幅上昇、ドル円追随せず
昨晩NYダウが史上初の20,000ドルにしっかりと乗せてきたことから、投資家の間には楽観ムードが広がり、本日の東京市場で日本株も大幅上昇。日経平均は344円高の19,402円で終了しました。
一方ドル円はトランプ新政権の為替政策への不透明感と、昨日よりにわかに湧き起った日銀のテーパリング開始への疑念に上値が重く、113円台で方向間なく推移、日経平均とほとんど連動は見られませんでした。
トランプ氏は、本日は米国の意向に沿わない国際機関への資金の拠出を停止する大統領令を準備していると報じられています。これにより国連等の国際機関への圧力を強めまた、拠出金の約4割の削減を狙っているとされています。
市場は米国第一主義を唱えたとおりに実行に移すトランプ大統領のなりふり構わぬ姿勢を景気浮揚効果の側面から好感して株価、金利の上昇につなげていますが、今回の国連の拠出停止の話も、アメリカ第一主義も、保護貿易への転換も、結局は米国が自国の利益を優先するのと引き換えに世界のリーダーシップを手放して一「小国」の立場に身を落としていることに他ならないと感じられます。
自由貿易の放棄や経済のブロック化などが歴史的にどのような結末を招いてきたのかは自明のことですが、そこまで話を飛躍させなくても、米国が長い時間をかけて築いてきた信用と世界のリーダーシップをこうも易々と手放すことにより、米国が失うことになる目に見えない利益をトランプ大統領は過小評価しすぎているのではないでしょうか。
米国が民主主義と自由経済の守護者としての地位を捨て、中国が自由貿易の重要さを説く異常な世界の不安定さの代償を、最も多く支払うのは最終的には米国なのではないかと考えずにはいられません。
では米株とドルを今すぐ空売りするのかと言われれば、長期的にはそれが正しいと信じたとしても、目先の市場の動きは逆、行き着くところまではついていかざるを得ないのが末端の市場参加者の立場です。トランプ政権が何らかの形で終止符を打たない限りお祭り騒ぎの片棒を担ぐしかないでしょう。一方で今後いつ来るかわからない長い意味での潮目の変化だけは見落とさないように注意したいものです。
今晩米国では22:30に卸売在庫、新規失業保険申請件数、シカゴ連銀全米活動指数、0:00には景気先行指数、新築住宅販売件数の発表があります。
序盤の欧州株価指数先物はおおむね堅調に推移。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.21
ドル円 地政学リスクくすぶるも再びレンジの様相に(11/21夕)
東京市場は一転してドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めている。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:編集人K
2017.01.27
ドル円、日経平均小幅続伸(2017年1月27日)
本日の東京市場で日経平均株価は米国市場でのNYダウの連日の高値更新を受け、小幅続伸しました。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:編集人K
2017.01.25
日銀オペ見送りでテーパリング観測?(17年1月25日)
本日の東京市場では引き続き方向感をつかめないままにドル円は113円台で推移、日経平均は自立反発的に19,000円台を回復しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。