円安で値を戻すが、雲上限が上値抵抗として意識
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、目立った経済指標の発表が無かったこともあり、週央にかけて利益確定の流れが強まったが、日米中銀会合の結果を受けてランドは値を戻す展開となった。
東京時間19日未明に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%利下げ決定も、25年末の金利予測中央値が引き上げられ、25年の利下げ回数は9月時点の4回から2回に後退。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性も」などと述べたことからドル買いが広がった。
一方、19日、日本銀行は政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%で据え置くと決定。トランプ次期米政権の経済政策の先行きや、国内の賃金・物価動向を引き続き見極めるとした。据え置きとなる公算が大きかったものの、植田日銀総裁が記者会見で、「追加利上げの判断には、もうワンノッチ欲しい」と発言したことで、25年1月利上げ観測が後退。円が主要通貨に対して全面安となったことで、ランドは反発し、一時8.6円台まで値を戻した。
ランド・円(東京時間:12月16日―12月20日)
※Investing.comの日足を参照
始値:8.5971円
高値:8.6503円
安値:8.4139円
終値:8.5284円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
特になし
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、目立った経済指標の発表も予定されていないほか、25日がクリスマス、26日が親善の日の祝日も影響して静かな地合いとなりそうだ。欧米の多くの投資家がクリスマス休暇入りすることから、ランドのみならず多くの通貨は方向感に乏しい展開となろう。
円安推移はランド高の材料となりそうだが、ドルインデックスが2022年11月以来の水準まで上昇するなどドル独歩高となっていることで、ランドなど新興国通貨からドルに資金が流れる可能性はある。今週はクリスマス週間のため大きな流れは発生しないと考えるが、クリスマス休暇明けには「新興国通貨売り、ドル買い」という構図が見られる可能性はある。
日足の一目均衡表では、転換線、基準線を上回ったことで雲上限突破を窺う場面もあったが、失敗に終わっている。基準線で下げ止まったことから雲下限割れなど弱い動きは回避できそうだが、手掛かり材料に欠けることから横ばい推移か。仮に基準線を割り込んでも、雲下限と100日移動平均線が位置する8.36円水準が下支えとなろう。
※ランド見通しは今寄稿をもって終了となります。これまでお読みいただきありがとうございました。
南アフリカランド円日足
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