トルコ円見通し 次期トランプ政権の人事・関税政策等で円高優勢、トルコ円は4営業日続落(24/11/27)

トルコリラ円の11月26日は概ね4.46円から4.41円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.42円で前日終値の4.46円から0.04円の円高リラ安だった。

トルコ円見通し 次期トランプ政権の人事・関税政策等で円高優勢、トルコ円は4営業日続落(24/11/27)

次期トランプ政権の人事・関税政策等で円高優勢、トルコ円は4営業日続落

〇トルコリラ円、11/27早朝4.41へ下落、11/19安値割り込みドル円と共に安値試し続けやすい状況
〇11/15高値を頭、11/7高値と11/20高値を両肩とした三尊天井形成、9/16以降の上昇トレンドから転落
〇対ドル、11/26は概ね34.65から34.38の取引レンジ、3営業日連続で終値最安値を更新
〇米国の保護主義政策がトルコの輸出にも影響を招くとし、リラ売り優勢の流れに寄与している印象
〇4.43以下での推移中は一段安余地あり、4.40割れからは4.38前後への下落を想定、4.38以下は反騰注意
〇4.43から4.44手前は戻り売り有利、4.44超えからは反騰継続とみて4.45台への上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の11月26日は概ね4.46円から4.41円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.42円で前日終値の4.46円から0.04円の円高リラ安だった。
ドル円が9月16日安値139.57円から11月15日高値156.74円まで大上昇したことを追いかけ、トルコリラ円は9月16日の史上最安値4.10円(ベンダーによっては4.11円や4.05円等)から11月15日高値4.56円へ上昇してきたが、トランプ・ラリーによる上昇が一巡してドル円が下落に転じたために11月19日夕安値4.43円へ反落し、20日夜高値4.52円までいったん戻してから下落を再開した。

ドル円はトランプ次期政権の財務長官人事や対外関税強化方針による先行き不透明感からリスク回避的な円高優勢の流れとなり、26日深夜に19日安値153.28円を割り込み、27日午前序盤には152.80円を割り込んだ。19日以降の三角持ち合いから転落し、19日安値を割り込んだことで11月15日高値からの下落が二段目に入り、9月16日以降の上昇トレンドから転落している。

トルコリラ円も27日早朝に4.41円へ下落して19日安値を割り込んだが、19日以降の三角持ち合いから下放れるとともに、15日高値を頭、11月7日高値と20日高値を両肩とした三尊天井を形成し、9月16日以降の上昇トレンドから転落したようだ。
当面は円高優勢の流れとみて、ドル円と共に安値試しを続けやすい状況と考える。

【ドル/トルコリラは3営業日連続で終値の史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの11月26日は概ね34.65リラから34.38リラの取引レンジ、27日早朝の終値は34.61リラで前日終値の34.55リラから0.06リラのドル高リラ安だった。
11月15日に取引時間中の史上最安値を34.69リラへ大幅に更新した後は最安値更新を回避しているものの、日足終値ベースでは15日から18日へ2営業日連続で史上最安値を更新し、22日から週明けの25日、26日と3営業日連続で終値最安値を更新した。27日午前序盤も34.66リラを付けてリラ安基調が続いており、取引時間中の最安値更新を試している。

22日に著名投資家のスコット・ベッセント氏がトランプ次期政権の財務長官に指名されたことで金融市場全般が思惑を交錯させて米国株式市場が大幅上昇する一方で米長期債利回りが急低下し、為替市場は強弱感が定まらずに乱調な展開となった。26日はトランプ氏がメキシコ、カナダに対して25%、中国に対して10%の関税強化を政権発足から実施すると表明したことでメキシコペソ、カナダドル、人民元が下落したが、米国の保護主義政策がトルコの輸出にも影響を招くとしてリラ売り優勢の流れに寄与している印象だ。
2017年から2020年末までの前トランプ政権時代、ドル円は概ね下落基調(円高)で、ドル/トルコリラは2017年1月の3.52リラから2020年11月に8.59リラへとドル高リラ安が進行した。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、11月20日夜へ続伸してからの反落により21日午前時点では4.47円割れから弱気サイクル入りとし、21日夕への下落時に4.47円を割り込んだために22日午前時点では20日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして22日午後から26日夕にかけての間への下落を想定した。
27日午前へ続落しているため、直近のサイクルボトムを25日午前安値とし、底割れから新たな弱気サイクル入りしているとみて28日午前から12月2日午前にかけての間への下落を想定する。強気転換には4.45円を超える勢いの上昇が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では20日夜高値からの下落基調が続く中で遅行スパンの悪化と先行スパンからの転落状態が続いているため、遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンからの転落中は遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開とする。強気転換には先行スパンを上抜く反騰が必要と思われる。

60分足の相対力指数は27日午前に30ポイントを割り込んでいるため、45ポイント以下での推移中は20ポイント割れを試す下落余地ありとみる。45ポイント超えからは強気転換注意とするが50ポイント前後で戻り売りにつかまりやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.40円を下値支持線、4.44円を上値抵抗線とする。
(2)4.43円以下での推移中は一段安余地ありとし、4.40円割れからは4.38円前後への下落を想定する。4.38円以下は反騰注意とするが、4.42円以下での推移なら28日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.43円から4.44円手前を戻り売り有利とするが、4.44円超えからは反騰継続とみて4.45円台への上昇を想定する。

【当面の主な予定】

11月28日
 16:00 10月 貿易収支確報 (9月 -51.3億ドル)
 16:00 11月 経済信頼感指数 (10月 98)
 20:30 週次 外貨準備高 11/22時点 グロス(11/15時点 940.9億ドル) 
 20:30 週次 外貨準備高 11/22時点 ネット(11/15時点 590.6億ドル)
11月29日
 16:00 7‐9月 GDP 前期比 (4‐6月 0.1%)
 16:00 7‐9月 GDP 前年同期比 (4‐6月 2.5%)
12月2日
 16:00 11月 イスタンブール製造業PMI (10月 45.8)
12月3日
 16:00 11月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (10月 2.88%)
 16:00 11月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (10月 48.58%)
 16:00 11月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (10月 1.29%)
 16:00 11月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (10月 32.24%)



注:ポイント要約は編集部

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