トルコリラWeekly 米・トルコ関係の改善期待強い、カラハン総裁の手腕にも注目(24/11/18)

先週のトルコリラは、経済指標の改善やトランプ氏の勝利によって米・トルコ関係の改善が期待されることなどから買われる展開となった。

トルコリラWeekly 米・トルコ関係の改善期待強い、カラハン総裁の手腕にも注目(24/11/18)

米・トルコ関係の改善期待強い、カラハン総裁の手腕にも注目

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、「ドル一強、新興国売り」が意識されつつあるなか、経済指標の改善やトランプ氏の勝利によって米・トルコ関係の改善が期待されることなどから買われる展開となった。

トランプ次期政権が対中強硬派の布陣となりつつあることで貿易摩擦を懸念する声も多い。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派な発言を行ったことで、米金利は上昇。ドル一強が意識されて、ランドなど新興国通貨は弱い動きが目立った。

一方、9日、エルドアン大統領は、記者団に対し、トランプ氏の訪問で2国間関係が強化され、トランプ氏の1期目とは「異なる」関係の構築につながることを望んでいると語った。また、トランプ次期米政権とトルコの協力が地域的な危機の打開にも役立つ可能性があるとの期待も示した。エルドアン大統領は6日にトランプ氏と電話会談を実施。トランプ氏はトルコについて好意的な見解を示したもようだ。

トルコリラは、週末こそポジション調整的な売りで上げ幅を縮小したが、ドル一強で新興国通貨が売られるなか、米・トルコ関係の改善期待や経済指標の回復などを材料に一時8月1日以来の水準まで買われた。

トルコリラ・円(東京時間:11月11日―11月15日)
※Investing.comの日足を参照

始値:4.4422円
高値:4.5680円
安値:4.4200円
終値:4.4783円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間

11月11日
16時00分、9月失業率、前回:8.6%、結果:8.6%
16時00分、9月鉱工業生産指数(前年比)、前回:−5.2%、結果:−2.4%
16時00分、9月鉱工業生産指数(前月比)、前回:−1.6%、結果:1.6%
11月12日
16時00分、9月経常収支、前回:43.2億ドル、結果:29.9億ドル
11月21日
20時00分、中銀政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、トランプ次期政権の方針を睨みつつ、トルコ中央銀行(トルコ中銀)のカラハン総裁による金融政策のかじ取りに関心が向かおう。

トランプ次期政権が想定以上の対中強硬派や保守強硬派などの布陣になりつつあることから、貿易摩擦への懸念は株式、為替市場の重しとなりそうだ。また、FRB高官から相次いでタカ派発言が伝わっていることも米金利の刺激材料となり「ドル独歩高」の展開が強く意識されよう。

一方、トルコ国内では、21日にトルコ中銀が政策金利を発表する。市場コンセンサスは50.00%の据え置きが予想されており、トルコ中銀声明やカラハン総裁が利下げを示唆するかが注目されている。政策金利高止まりによる経済への影響が指摘されるなか、高いインフレをコントロールする必要に迫られていることからカラハン総裁の手腕が試されよう。

日足の一目均衡表では、雲上限を上放れている。週末の下落も転換線水準で下げ止まっており、トレンドの強さは維持されている。今週は雲のねじれを迎えることで下落への警戒も必要だが、大きな流れでは戻りを試す展開が続くと考える。

米・トルコ関係の改善期待強い、カラハン総裁の手腕にも注目

トルコリラ円日足

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