トルコリラ円見通し 米大統領選を巡る思惑交錯、6日午前はトランプ氏優勢報道も(24/11/6)

トルコリラ円の11月5日は概ね4.44円から4.40円の取引レンジ、6日早朝の終値は4.42円で前日終値の4.43円から0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 米大統領選を巡る思惑交錯、6日午前はトランプ氏優勢報道も(24/11/6)

米大統領選を巡る思惑交錯、6日午前はトランプ氏優勢報道も

〇トルコリラ円、11/6早朝4.40へ下落、10/29夜高値以降は右肩下がりの下降トレンド形成
〇11/6午前、トランプ氏優勢報道でドル高となり、トルコリラ円も4.44へ迫る
〇対ドル、11/5は概ね34.36から34.07の取引レンジ、下落一服で下げ渋り
〇米大統領選への思惑で乱高下しやすい、ドル円を追いかけてゆくことになるか
〇4.44下回るうちは一段安余地あり、4.40割れから4.39、4.38順次試す下落想定、4.38以下は買われ易い
〇4.44超えからは4.45、4.46手前への上昇を想定するが、4.46手前は反落警戒

【概況】

トルコリラ円の11月5日は概ね4.44円から4.40円の取引レンジ、6日早朝の終値は4.42円で前日終値の4.43円から0.01円の円高リラ安だった。

ドル円が9月16日安値139.57円から10月28日午前高値153.87円へ上昇してきたものの、29日夜高値153.86円をダブルトップとして下落に転じたため、トルコリラ円も10月28日午前と29日夜に4.49円を付けて9月16日の史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.05円や4.10円など)以降の最高値を更新してから下落に転じている。
ドル円は31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げへ向けたタカ派姿勢で152円を割り込んだ後は、米雇用統計を挟んで152円割れを買われて153円到達で売られる持ち合いに入っていたが、4日早朝から下落を再開して4日夜安値151.51円、6日早朝安値151.33円へ安値を切り下げて右肩下がりの展開に入っている。

トルコリラ円も11月1日早朝に4.41円台へ下落してから2日早朝に4.46円まで切り返したものの、4日午前と夜に4.41円へ下落し、5日午後に4.44円へ戻してから6日早朝に4.40円へ下落してこの間の安値を更新し、29日夜高値以降は右肩下がりの下降トレンドを形成してきた。
6日午前はトランプ氏優勢報道でドル高となり、ドル円が152円台序盤へ上昇してトルコリラ円も4.44円へ迫っているが、今後の情勢報道次第では上下に大きく波乱すると思われる。

米大統領選挙は接戦とされ、結果が確定するまでに数日かかるとの見方もある。トランプ氏勝利なら円安、ハリス氏勝利なら円高との見方もあるが、2017年1月からのトランプ政権時代は終始円高基調だった経緯もある。8日早朝のFOMCを通過してドル円が上昇再開へ向かうのか暫く円高が続くのかを見極めて、トルコリラ円もドル円を追いかけてゆくことになりそうだ。

【ドル/トルコリラは最安値更新後の下げ渋り】

ドル/トルコリラの11月5日は概ね34.36リラから34.07リラの取引レンジ、6日早朝の終値は34.31リラで前日終値の34.33リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
8月28日に取引時間中の史上最安値を34.41リラへ更新してから9月16日高値33.58リラへ戻した後は、この高安レンジ内の持ち合いを続けてきたが、終値ベースでは10月25日終値34.28リラで史上最安値を更新し、11月1日は34.42リラを付けて取引時間中の史上最安値を更新し、終値34.30リラで10月25日終値を抜いて最安値を更新した。
4日は取引時間中の最安値更新には至らなかったものの終値ベースでは2営業日連続で最安値を更新したたが、5日は下落一服で下げ渋ったようだ。

S&Pがトルコを格上げし、4日のトルコ10月CPI上昇率が鈍化したことに対する市場の反応は鈍かったが、さらにリラ安を加速させてゆく手掛かりに欠けての下げ渋りという印象だ。
米大統領選挙を巡り思惑が錯綜しているが、バイデン政権とトルコの関係は良好とは言えず、今年7月にエルドアン大統領がトランプ氏への銃撃事件後に「トランプ氏が凶悪な攻撃後に見せた勇敢な態度は称賛に値する」と電話したと報道されており、トルコとしては関係改善を望みたいところだ。トランプ政権時代にはトルコがロシア製地対空ミサイルS400を導入した際やシリアへ軍事進攻した際に制裁を受けた経緯もある。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月29日夜と28日午前の両高値をダブルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、11月1日早朝安値から2日早朝へいったん戻してから一段安したため、5日午前時点では1日早朝安値を直近のサイクルボトム、2日早朝高値を同サイクルトップとした新たな弱気サイクル入りとして6日早朝から8日早朝にかけての間への下落を想定した。
6日早朝へ続落しているのでまだ一段安余地ありとするが、5日午後高値4.44円超えからは強気サイクル入りとして7日早朝から9日早朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では6日早朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後の反発で先行スパン突破を試している。5日午後高値超えからは両スパン揃っての好転となるため遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、その後に両スパン揃って悪化するところからは下落再開として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は6日早朝に30ポイント台へ低下したが4日昼への下落時よりも指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられるため、60ポイント超えからは70ポイント前後を目指す上昇を想定する。ただし、次に45ポイントを割り込むところからは下落再開とみて30ポイント割れを試す低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.40円を下値支持線、4.44円を上値抵抗線とする。
(2)4.44円を下回るうちは一段安余地ありとし、4.40円割れからは4.39円、4.38円を順次試す下落を想定する。4.38円以下は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.37円へ下値目途を引き下げる。
(3)4.44円超えからは4.45円、4.46円手前への上昇を想定するが、4.46円手前は反落警戒とし、その後に4.43円を割り込むところからは下落再開とみる。
米大統領選への思惑で乱高下しやすいため、慎重かつ臨機応変に対処したい。

【当面の主な予定】

11月7日
 20:30 週次 外貨準備高 11/1時点
11月8日
 16:30 トルコ中銀四半期インフレ報告
11月11日
 16:00 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 -1.6%)
 16:00 9月 鉱工業生産 前年同月比 (8月 -5.3%)
 16:00 9月 失業率 (8月 8.5%)
11月12日
 16:00 9月 経常収支 (8月 +43.24億ドル)
 16:00 9月 小売売上高 前月比 (8月 2.2%)
 16:00 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 13.3%)



注:ポイント要約は編集部

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