4日のCPI次第では年内利下げ観測が再燃へ
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、日本の衆議院選挙の結果や、日銀金融政策決定会合後の植田和男日銀総裁の記者会見での発言などにやや振らされる展開となった。
衆議院選挙では、政権与党が過半数を大きく下回る結果となったことで、日銀による追加利上げのスケジュールが遅れるとの公算が大きくなり、円が主要通貨に対して下落。トルコリラは4.5円手前まで買われた。
ただ、10月31日の日銀金融政策決定会合後の植田日銀総裁の記者会見で、追加利上げ実施への当面の慎重姿勢を示すものと理解されていた「時間的余裕はある」という表現をやめたと説明。事前の市場予想よりもややタカ派な発言となったことから、追加の利上げに前向きと市場は判断し、円は主要通貨に対して上昇する展開となり、トルコリラは一時4.41円台まで下落した。
トルコリラ・円(東京時間:10月28日―11月1日)
※Investing.comの日足を参照
始値:4.4425円
高値:4.4997円
安値:4.4124円
終値:4.4535円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
10月31日
16時00分、9月貿易収支、前回:−52.6億ドル、市場予想:−50.5億ドル、結果:−51.3億ドル
11月1日
16時00分、10月製造業PMI、前回:44.3、結果:45.8
11月4日
16時00分、10月消費者物価指数(前年比)、前回:49.38%、市場予想:48.50%
16時00分、10月消費者物価指数(前月比)、前回:2.97%、市場予想:2.70%
16時00分、10月生産者物価指数(前年比)、前回:33.09%
16時00分、10月生産者物価指数(前月比)、前回:1.37%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、11月4日の10月消費者物価指数(CPI)に注目が集まろう。市場では9月CPIが市場予想を上振れたことで、年内利下げ観測は後退しているが、10月CPIの結果次第では、11月21日、12月26日の政策決定会合での利下げ観測期待が再燃する。
10月3日に発表した9月CPIは、前月比2.97%増、前年同月比49.38%増だった。前年同月比では、2021年以来初めて政策金利を下回ったが、市場予測の48.3%を上回る恰好となった。この結果を受けて、カラハン・トルコ中銀総裁は、前月比での「恒久的かつ顕著な減速」と「インフレ期待が中銀予想の範囲内に収まるまで、まだある程度の距離が残っている」とし、金融引き締めの維持は継続すると発言した。
10月CPIの市場予想は前年同月比48.5%と9月比ではインフレ鈍化が見込まれている。ほぼ市場予想通りの結果だった場合、11月は難しくも12月での利下げ観測は意識されよう。仮に、10月CPIが市場予想を下回っても、利下げ実施に伴う景気回復が材料視されて、トルコリラは堅調推移を維持すると考える。
日足の一目均衡表では、雲上限を一時上回る場面が見られた。足元、100日移動平均線や4.5円水準に頭を押さえられているが、転換線水準で推移しており、しっかりとした状況と言える。雲上限で値固めをした後、雲上限をサポートに上値抵抗ラインである4.5円や100日移動平均線を突破する展開に期待したい。
なお、米国では5日に米大統領選挙の投開票、6−7日にFRBによるFOMCと重要イベントを控えていることから、ドルは神経質な展開となる公算が大きい。FOMCは、市場想定通り「0.25%の利下げ」に留まる公算が大きく、市場は無風での通過を想定している。一方、米大統領選挙は予想がつかない状況のため、大勢が判明すると思われる東京時間6日午後辺りは、ドルを中心とした為替の乱高下に気をつけたいところだ。
トルコリラ円日足
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