RBA声明後も上昇継続、100円水準での値固めを試す展開に
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)がさほど「ハト派」な姿勢を示さなかったことなどから堅調推移が継続。円安傾向も強まったことから、約2カ月ぶりに100円台に乗せた。
RBAは24日の金融政策決定会合で、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置くと決定した。据え置きは7会合連続となる。
ブロックRBA総裁は記者会見で「今回は利上げをはっきりと検討していない。金利は当面は現状維持になるだろう」と発言。「短期的に政策委員会は利下げを想定していない」とした一方「どちらの方向にも対応できることが必要だ」と語った。
RBAは声明で「インフレ率は目標を引き続き上回り、根強さを示す」「インフレ率を目標に戻す政策委の決意は引き続き固い。その結果の達成に必要なことを行う。インフレ率が持続的に目標レンジに向かうと政策委が確信するまでの間、政策は十分に景気抑制的であり続ける必要があろう」と説明した。
RBAが市場予想ほど「ハト派」には傾かなかったことから、発表後の豪ドルはじりじりとした豪ドル高円安が継続した。日銀が早期の追加利上げに動かないとの観測が強まったことで円が主要通貨に対して下落。豪ドルは9月3日戻り高値99円86銭を上回り、7月31日以来の100円台に乗せた。
豪ドル・円(東京時間:9月23日―9月27日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 97円88銭
高値: 100円26銭
安値: 97円61銭
終値: 100円19銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
9月24日
13時30分、政策金利、前回:4.35%、市場予想:4.35%、結果:4.35%
9月25日
10時30分、8月消費者物価指数(CPI)、前回:3.5%、市場予想:3.2%、結果:2.7%
10月1日
10時30分、8月住宅建設許可(前月比)、前回:10.4%、市場予想:−4.1%
10時30分、8月小売売上高(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.2%
10月3日
10時30分、8月貿易収支、前回:60.09億豪ドル
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、8月住宅建設許可や小売売上高などの経済指標で豪経済の状況を確認しつつ、100円水準での値固めを試す展開となりそうだ。経済的なつながりが強い中国が大規模な金融緩和策を発表したことも下支えとなろう。
RBAが注目する消費者物価指数(CPI)は、8月が前年比2.7%上昇と3年ぶりの低い伸びとなった。政府による電気料金の補助やガソリン価格の下落を受けたことで、7月の同3.5%上昇から大幅に減速した。一方、コアインフレ率の指標であるCPI中銀トリム平均値は、前年比3.4%上昇と前月の3.8%上昇から大幅に減速したが、RBAが目標とする2−3%はなお上回っておりインフレは根強い。
スワップ市場では、12月10日RBA会合での利下げ開始を70%ほど織り込んでいるが、10月に発表されるCPI、生産者物価指数(PPI)などが弱い数字であれば、11月5日RBA会合での早期利下げ実施観測も高まろう。もっとも、11月となれば、市場が利下げに向けて醸成する期間が非常に短くなることから、9月会合でのRBAの方針を考慮すると12月利下げが妥当な線と考える。
日足の一目均衡表では、雲突入後、一本調子の上昇で雲上限(100円07銭)に到達した。短期的には、上昇ピッチの速さや雲上限到達、心理的な節目の100円到達などから達成感が意識されそうだが、遅行スパンは実線を上回るなど好転。転換線も基準線を捉えつつあるなどトレンドは強気に転換しそうな状況だ。100円水準では利益確定売りも出やすいところだが、まずは100円水準での値固めとなろう。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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