トルコリラ円見通し 円高に圧されて一時4.30円へ下落(24/8/20)

トルコリラ円の8月19日は概ね4.39円から4.30円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.34円で先週末終値の4.38円から0.04円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 円高に圧されて一時4.30円へ下落(24/8/20)

トルコリラ円見通し 円高に圧されて一時4.30円へ下落

〇トルコ円、8/19午後にかけてドル円が急落したために4.30へ失速、ドル円の戻りを見て4.34台へ戻す
〇8/9以降の下値支持線であった4.36を割り込む
〇対ドル、8/19は概ね33.80から33.60の取引レンジ、終値ベースでは4営業日連続で史上最安値更新
〇8/20午前序盤も33.79を付け取引時間中の最安値更新に近づく、リラ売り基調がやや加速している印象
〇4.37を下回るうちは一段安余地ありとし、4.30割れからは4.27、4.25を順次試して行く下落を想定する
〇4.37超えからは、4.39手前を試すとみる

【概況】

トルコリラ円の8月19日は概ね4.39円から4.30円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.34円で先週末終値の4.38円から0.04円の円高リラ安だった。
ドル円は8月5日安値141.69円への大幅下落一巡による持ち直しで8月16日早朝には149.38円へ高値を伸ばし、17日早朝に147円台へ失速して先週を終えていたが、19日は米雇用統計が年次改定で大幅下方修正されるとの見方やカナダ資本によるセブン&アイ買収報道により日経平均の反落と共に円高となり午後安値145.18円へ下落し、いったん落ち着いて20日朝に146円台後半まで戻したものの147円には届かずにいる。

トルコリラ円は7月3日高値4.99円から8月5日安値4.24円への大幅下落が落ち着いてドル円が反騰入りしたのを見ながら15日夜に4.44円まで高値を伸ばしたが、その後は伸びずに先週末は4.38円へ失速して取引を終えていた。週明けの19日は午後にかけてドル円が急落したために4.30円へ失速し、ドル円の戻りを見て4.34円台へ戻したものの、8月9日以降の下値支持線であった4.36円を割り込み、8月5日から8月15日までの戻り幅0.20円に対して19日午後安値への下げ幅0.14円で3分の2近くを削っている。
市場の関心は8月21日の米労働省による雇用統計の年次改定、23日の植田日銀総裁発言(参院閉会中審議)とパウエルFRB議長発言(ジャクソンホール会合での講演)に向かっているが、それらがドル安円高材料となる場合には史上最安値である8月5日安値4.24円を試しに向かう可能性もあるところと注意したい。

【ドル/トルコリラは終値の史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの8月19日は概ね33.80リラから33.60リラの取引レンジ、20日早朝の終値は33.77リラで先週末終値33.66リラから0.11リラのドル高リラ安だった。
世界連鎖株安を嫌ったリラ売りにより8月6日に33.77リラへ取引時間中の史上最安値を更新し終値33.57リラも終値ベースでの最安値としてから下げ渋っていたものの、8月13日から16日へ4営業日続落して16日安値33.84リラで取引時間中の史上最安値を更新して終値も史上最安値を更新した。週明けは取引時間中の最安値更新には至らなかったものの終値ベースでは4営業日連続で史上最安値を更新した。8月20日午前序盤も33.79リラを付けるなど取引時間中の最安値更新に挑戦しており、リラ売り基調がやや加速してきている印象だ。

トルコの金融政策正常化と金融引き締め政策の維持や財政再建のための緊縮財政政策及びリラの信用を高めるための外貨準備高増強等により海外勢のトルコ投資意欲が徐々に回復しているものの、トルコ景気はまだ芳しくなく年末にかけてのレート予想は年初の1ドル40リラから下方修正されているものの1ドル37リラ台へ下落するとの見方が濃厚であり、中東情勢悪化によるトルコに対する地政学的なリスク、欧州と中国の景気低調さに加えて米国の景気も鈍ってきていることでトルコの輸出にも影響が出てくるのではないかと懸念が重石となっている。

8月19日に発表されたトルコの7月自動車生産は前年比13.9%減となり6月の15.8%減から改善したが、自動車販売は前年比17.5%減で6月の5.3%減から大幅に悪化した。
8月20日はトルコ中銀の金融政策決定会合があり、政策金利の週間レポレートは50%で据え置きが予想されている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月15日夜の上昇で12日夜高値を超えたために16日午前時点では15日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしたが、トップ形成期を15日夜から19日夜にかけての間として4.38円割れからは弱気サイクル入りとし、8月17日早朝への下落で4.38円まで下げたための19日午前時点では15日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして20日午後から22日夕にかけての間への下落を想定した。
19日午後へ続落してから戻したものの4.35円手前に留まっているのでまだ一段安余地ありとするが、4.37円超えからは強気転換注意として4.39円前後への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では8月17日早朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落した。19日午後安値から戻したために遅行スパンは好転しやすい位置に来ているので、遅行スパン好転からは高値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開として安値試し優先とする。遅行スパンが好転できずに8月19日安値を割り込んで一段安に入る場合は下げ足が速まりやすいと注意する。

60分足の相対力指数は8月19日午後の急落時に20ポイントを割り込んでから40ポイント台へ戻しているので50ポイント超えからは60ポイントを目指す上昇を想定するが、50ポイントに届かないか一時的に届いても維持できずに失速する内は一段安警戒として30ポイント割れからは20ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.30円を下値支持線、4.37円を上値抵抗線とする。
(2)4.37円を下回るうちは一段安余地ありとし、4.30円割れからは4.27円、4.25円を順次試して行く下落を想定する。
(3)4.37円超えからは4.39円手前を試すとみるが、4.38円から4.39円手前は戻り売りにつかまりやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月20日
 20:00 トルコ中銀 金融政策委員会 政策金利 (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 8月16日時点 グロス (8月9日時点 923.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月16日時点 ネット (8月9日時点 469.0億ドル)
8月22日
 16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 75.9)
 20:30 週次 外貨準備高 8月16日時点
8月23日
 17:00 7月 海外観光客数 前年同月比 (6月 4.95%)


注:ポイント要約は編集部

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