トルコリラ円見通し ドル円と共に8月5日安値からの反騰一服で持ち合い(24/8/15)

トルコリラ円の8月14日は概ね4.40円から4.36円の取引レンジ、15日早朝の終値は4.38円で前日終値とかわらずだったが8月12日からの終値はほぼ同値が続いている。

トルコリラ円見通し ドル円と共に8月5日安値からの反騰一服で持ち合い(24/8/15)

ドル円と共に8月5日安値からの反騰一服で持ち合い

〇昨日のトルコ円、ドル円追いかけ4.36まで下げてから戻すも4.40までにとどまる
〇8/15午前序盤にかけては4.37を繰り返し割り込み上値重い
〇本日の米経済指標発表、ドル円及びトルコリラ円の持ち合い放れへのきっかけとなるか
〇対ドル、8/14は概ね33.65から33.35の取引レンジ、終値ベースの史上最安値更新
〇経済成長の停滞感や中東情勢悪化等がトルコリラへの重石に
〇8/20トルコ中銀政策金利発表、週間レポレート50%(据え置き)がコンセンサス
〇4.40超えからは8/12夜高値4.42試しとする
〇4.35割れからは4.32前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月14日は概ね4.40円から4.36円の取引レンジ、15日早朝の終値は4.38円で前日終値とかわらずだったが8月12日からの終値はほぼ同値が続いている。

ドル円が日銀の利上げと米国の9月利下げ開始見込み及び米7月雇用統計悪化をきっかけとした世界連鎖株安により7月30日高値155.21円から8月5日安値141.69円へ大幅下落したため、トルコリラ円も7月3日安値4.99円から8月5日安値4.24円へ大幅下落となり史上最安値を更新したが、世界連鎖株安が落ち着いたことでドル円が持ち直したためにトルコリラ円は12日夜にドル円が148円台を付けたところで4.42円へ高値を伸ばした。

ドル円は8月13日夜の米PPIと14日夜の米CPIに対する反応が鈍く、14日昼に146.07円まで下げてから147円台を回復しているものの12日夜高値148.21円超えへ進む勢いに欠けている。トルコリラ円も14日午前に4.36円まで下げてから戻したものの4.40円までにとどまり15日午前序盤にかけては4.37円を繰り返し割り込んで上値が重い。
当面はドル円が147円を中心として前後凡そ1円規模の持ち合いから抜け出すのを見定めつつ、ドル円が8月12日夜高値を超えて一段高へ進む場合はトルコリラ円も押し目買い有利の展開に入るとみてドル円を追い、ドル円が146円割れへ失速する場合は持ち合い下放れとみてトルコリラ円も戻り売り有利の展開に入るのではないかと考える。
今夜は米新規失業保険申請件数、小売売上高、鉱工業生産、NY連銀やフィラデルフィア連銀の製造業景況指数など米経済指標発表が相次ぐため、ドル円及びトルコリラ円の持ち合い放れへのきっかけとなるかもしれない。

【ドル/トルコリラは終値ベースの史上最安値更新】

ドル/トルコリラの8月14日は概ね33.65リラから33.35リラの取引レンジ、15日早朝の終値は33.60リラで前日終値の33.53リラから0.07リラのドル高リラ安だった。
8月2日から6日にかけての3営業日続落で6日に取引時間中の最安値を33.77リラへ更新し、終値33.57リラで終値ベースでも3日連続の最安値更新とした。その後は6日の高安レンジ内での揉み合いを続けてきたが、14日終値で6日終値を超えて終値ベースの史上最安値を更新した。

トルコの格付け2段階引き上げ等によるトルコ投資拡大期待は徐々に高まっており、8月12日にもフィッチレーティングスによるイスタンブール等の大都市自治体への見通し引上げもあったのだが、経済成長の停滞感と8月2日から5日にかけての世界連鎖株安がひとまず落ち着いているものの新興国投資に対する慎重姿勢が再燃したこと、中東情勢悪化の中でトルコとイスラエルの関係が悪化していること、インフレが順調に鈍化し始めているものの依然として高インフレ状態にある中で政策金利50%という高金利や緊縮財政が始まっていることがトルコリラへの重石となっている。
トルコのイスタンブール株価指数は7月18日高値を起点とした下落基調が続いており、8月13日に前日比0.94%高と戻したものの14日は前日比0.90%安と下落している。
来週は8月20日にトルコ中銀の政策金利発表があるが、市場の事前予想は週間レポレートを50%で据え置くとの見方で一致している。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月9日夜に4.36円まで下げてから12日夜高値4.42円まで戻したために13日午前時点では直近のサイクルボトムを9日夜安値とした強気サイクル入りとして13日の日中から14日夜にかけての間への上昇を想定したが、14日昼早朝への反落で9日夜安値に迫ったために14日午前時点ではすでに12日夜高値でサイクルトップを付けた可能性があるとした。
8月14日昼の下落時に9日夜安値をわずかに割り込んだため、12日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は14日夜から16日夜にかけての間とし、12日夜高値を超える場合は強気サイクル入りとして15日夜から19日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では4.36円前後から4.42円までのレンジで横ばい推移のため方向性に欠けるが、先行スパンを上抜けないうちは遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月12日夜に70ポイントへ迫ってから14日未明に30ポイント台へ低下し、その後は50ポイントを挟んだ揉み合いで推移している。60ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント以下での推移中は下向きとして20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.35円を下値支持線、4.40円を上値抵抗線とする。
(2)4.40円超えからは8月12日夜高値4.42円試しとする。4.42円手前は売られやすいとみるが、4.42円超えからは4.45円を目指す上昇期に入るとみる。
(3)4.35円割れからは4.32円前後への下落を想定する。4.32円以下は反発注意とするが、4.36円以下での推移なら16日も安値試しを続けやすいとし、ドル円が急落する場合は4.30円試しへ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

8月15日
 20:30 週次 外貨準備高 8月9日時点 グロス (8月2日時点 924.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月9日時点 ネット (8月2日時点 514.5億ドル)
 23:30 7月 財政収支 (6月 -2752.8億リラ)
8月20日
 20:00 トルコ中銀 金融政策委員会 政策金利 (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 8月16日時点
8月22日
 16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 75.9)


注:ポイント要約は編集部

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