ドル円、約3週間ぶり安値圏へ大幅続落。日銀の国債購入減額に関する観測報道が重石に
○ドル円、日銀による早期引き締め観測等背景に、米国時間午後154.54まで急落
○ユーロドル、米国時間朝方にかけ1.0859まで下落後、1.0880まで持ち直し
○ドル円、日足ローソク足が主要テクニカルポイントを下抜ける等、テクニカル的に見て地合い悪化を警戒
○但しファンダメンタルズでは円キャリートレード継続期待等ドル円相場上昇を連想させる材料揃う
○引き続き、一巡後のドル円反発をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:154.00ー156.00
海外時間のレビュー
4日(火)のドル円相場は大幅続落。(1)急ピッチな下落に対する反動買い(押し目買い)が支えとなる中、アジア時間朝方にかけて、高値156.49まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)や、(3)一部メディアによる「日銀、早ければ今月会合で国債購入減額を具体的に検討も」との観測報道(日銀による早期引き締め観測→円買い)、(4)米4月JOLTS雇用動態調査(結果805.9万件、予想835.5万件)の市場予想を下回る結果、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値154.54まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/5午前6時35分現在)では、154.86前後で推移しております。
4日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0916まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)ECB理事会を控えたポジション調整、(3)欧州株の全面安(リスク回避のユーロ売り)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0859まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米4月JOLTS雇用動態調査の市場予想を下回る結果や、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間6/5午前6時35分現在)では、1.0880前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は5/29に記録した約1カ月ぶり高値157.79をトップに反落に転じると、昨日は一時154.54まで急落しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)を下抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」が消失したこと、4時間足等の下位足で強い売りシグナルが点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方からドル買い・円売りに安心感)や、(2)日銀による金融引き締めが素直に円買いには繋がらないとの見方の広がり(昨日は一部メディアより「日銀が来週の会合で国債購入減額を具体的に検討する」との観測記事が報じられたが、日銀による金融引き締めに伴う長期金利の上昇は素直に円買いで反応する可能性は乏しく、むしろ日本政府の利払い負担増加を通じた財政悪化懸念への連想から円売りに繋がる恐れあり)、(3)日本政府・日銀による為替介入警戒感の後退(イエレン米財務長官が複数回にわたり牽制しているため、余程強い投機的な円売りが出てこない限り、為替介入には踏み切りづらい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米5月ADP雇用統計や、米5月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回る場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に再び強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、一巡後のドル円反発をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:154.00ー156.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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