NZ中銀ウィーラー総裁による経済見通し
今後一年半に+3.75%の成長期待
ニュージーランド中銀のウィーラー総裁は本日南島のグレーマスで講演し、ニュージーランド経済の先行きに関し、楽観的な見解を示しました。
講演の中で総裁は、今後一年半の間はニュージーランドの経済に力強い伸びが期待でき、GDPの成長率は3.75%に達すると予測しています。
ニュージーランドは11月に政策金利を過去最低レベルの1.75%に引き下げましたが、ウィーラー総裁はこれ以上の引き下げを行わなくても、商品価格の回復等の要因もありインフレは12月にもターゲットゾーンの1-3%に回復可能であるとしています。
商品市況の回復、ニュージーランドドル高の一服が追い風
ニュージーランド経済は2008年以降中国との自由貿易協定、地震災害後の建設需要等を起点に移民の増加や、この間の金利の大幅な引き下げもあって緩やかな長期拡大を続けてきています。国内の労働参加率が非常に高いというメリットがある反面、産業構造や規模面から労働生産性の伸びが低いとのマイナス要因もあり、また、移民が消費を抑制していることから物価上昇につながりにくいという問題も抱えています。
さらに、最近のニュージーランドドル高が交易条件を悪化させてきた面もありますが、直近での乳製品等の商品市況の回復や、「トランプ相場」のドル買いによるニュージーランドドル高の一服で、グローバル経済の不確定要因はあるものの明るい先行きが見えてきたという内容です。
財務相もGDP伸び予測を上方修正、政治不安は後任確定で後退
ニュージーランド財務省は本日16-7年のGDPの伸びの予測値を従来の+3.3%から+3.5%に、17-18年を+3.0%から+3.4%にそれぞれ引き上げています。
キー首相の突然の辞任後首相候補と見られてきたイングリッシュ副首相兼財務相は二名の対立候補が降りたことにより次期首相にほぼ確定しました。
これにより、現路線の継承の不安が消えた他、2017年の総選挙を控え新政権は経済基盤の強化を図ることが予想されており、減税も選択肢に含まれる見込みです。
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