前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 112.64 114.73 111.36 113.58
ユーロ円 119.51 121.89 118.58 121.12
ユーロドル 1.0609 1.0690 1.0552 1.0664
日経平均 18302.58 18746.28 18222.82 18426.08
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
11月28日(月)
週明けの東京市場では多くのイベントを前にこれまで進んできたドル買いに対する調整が入りました。昼前には安値111.36レベルとようやく調整らしい調整となりましたが、下がったところでは根強い買いも見られ、原油価格が下げ止まったことも重なり、NY市場まではドルが底堅い動きとなりました。一時112.80レベルまで反騰したものの米金利が低下したことから再びドル売りの動きとなり111円台での引けとなりました。ユーロドルも東京市場で1.0686レベルの高値を付けましたが、その後は1.05台半ばへと反落、引けにかけては1.06台へ戻してのクローズとなりました。
11月29日(火)
ドル円の動きが目立つ一日となりました。NY市場まではここ数日の調整で多少はドル安に動いていたこともあり、月末を前にして出遅れていた輸入業者からのドル買いが目立つ動きとなりました。ドル円での円売りの動きはクロス円にも波及し、ユーロ円は早朝に118.55レベルまで押していましたが、NY市場では120円の大台目前まで上伸。ドル円もNY寄り付き直後のGDP改定値に反応し、一時113.34レベルの高値を付けましたが、引けにかけては短期筋のポジション調整から112円台前半へと押して引けました。
11月30日(水)
東京市場のドル円は、下がったところで買いたいと考える向きと輸入業者のドル買いとの動きが重なって朝から底堅い動きとなりました。OPEC総会に先立って事前調整会議が欧州市場序盤に始まり、減産合意がまとまりそうだとの話から原油が上昇、それに伴ってリスクオンの動きからドル円、クロス円での円売りの動きが目立ちました。OPEC総会では実際に2008年以来の減産合意となり原油価格は一段高、一時WTIは49.90ドルまで上昇し、インフレ懸念が強まる思惑から米長期金利も上昇、ドル円は114円台半ば、ユーロドルも1.05台での引けとなりました。
12月1日(木)
東京市場では朝方こそ高値を更新し114.82レベルをつけたものの、115円を前に利食いも出てきたことや年初来高値を更新した日経平均株価が急速に水準を下げたことも重なって113円台へと押す展開となりました。その後NY市場に入るまではこれまで同様に下がったところでは買いという動きになりましたが、114円台後半では再び売りに押され上値の重たい地合いでの引けとなりました。いっぽうユーロドルは、ECB内のタカ派的立場のコメントが出てきたこと、ポンドの急騰に引っ張られたことが重なって1.06台後半へと水準を上げ強い地合いのまま引けました。
12月2日(金)
ドル円は前日に高値114.82レベルをつけて以降は目先の高値をつけた値動きとなり、雇用統計を前に113円台後半の狭いレンジでのもみあいを続けました。雇用統計は失業率こそ4.6%と予想外の改善を見せましたが、NFPは前月の改定を含めやや弱めの数字、それ以上に平均時給が−0.1%と前月の上振れから今回は大きく下振れしたため、直後にドル円は113.48レベルの安値を付けました。その後は上下しながらも上値の重たい展開となり、NYの昼頃に113.33レベルの安値をつけ113円台半ばに戻しての引けとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
12月5日(月)
10:45 中国11月MarkItサービス業PMI
12:45 黒田日銀総裁講演
16:00 トルコ11月CPI
17:50 フランス11月サービス業PMI確報値
17:55 ドイツ11月サービス業PMI確報値
18:00 ユーロ圏11月サービス業PMI確報値
18:30 英国11月サービス業PMI
22:30 NY連銀総裁講演
23:00 ドイツ連銀総裁講演
23:11 (シカゴ連銀総裁講演)
23:45 米国11月MarkItサービス業PMI確報値
24:00 米国11月ISM非製造業景況指数
24:00 米国11月労働市場情勢指数
28:05 セントルイス連銀総裁講演
12月6日(火)
09:30 豪州7〜9月期経常収支
12:30 豪中銀政策金利発表
18:30 南ア7〜9月期GDP
18:45 ユーロ圏7〜9月期GDP確報値
22:30 米国7〜9月期単位労働コスト確報値
22:30 米国10月貿易収支
24:00 米国10月製造業受注指数
24:00 米国12月IBD景気楽観度指数
12月7日(水)
07:00 NZ中銀年次報告書公表
09:30 豪州7〜9月期GDP
16:00 ドイツ10月鉱工業生産
18:30 英国10月鉱工業生産
24:00 カナダ中銀政策金利発表
24:30 米国週間原油在庫
12月8日(木)
08:50 本邦7〜9月期GDP改定値
08:50 本邦10月貿易収支
09:30 豪州10月貿易収支
**:** 中国11月貿易収支
20:00 南ア10月製造業生産
21:45 ECB理事会
22:30 ECB総裁会見
22:30 米国新規失業保険申請件数
12月9日(金)
10:30 中国11月CPI、PPI
17:00 南ア7〜9月期経常収支
18:30 英国10月貿易収支
18:45 オランダ中銀総裁講演
24:00 米国12月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
24:00 米国10月卸売在庫、売上高
今週の週間見通し
先週のドル円は週初こそ大統領選以降初めての調整らしい調整が入りましたが、その後は月末を前に出遅れていた本邦輸入業者や個人投資家のドル買いに買いが強まり、OPEC総会での減産合意翌日朝にここまでの高値となる114.82レベルをつけました。
これまでも雇用統計アノマリーとして、雇用統計の前後にドル円は目先の高値を付けることが多いという話を繰り返ししていますが、今回の雇用統計でもこのアノマリーが効いていたようで結局は弱めのNFPと予想外のマイナス平均時給の結果からドルはじり安での週末クローズ。そして注目のイタリア国民投票は、出口調査時点から反対派が大きく優位に立っていたことからレンツィ首相も早々に敗北宣言を出すこととなりました。
早朝市場ではユーロが1.05の大台目前まで水準を下げ、ユーロ円も118円台後半へと大幅安となったため、ドル円も112.87レベルの安値を付けることとなりましたが、敗北宣言を出したあたりから市場は急速に値を戻し、ドル円は先週末の水準を上回り、ユーロドルも1.06近くまで値を戻しいったん週明けの欧州市場を待ちたいという流れになりました。今週はECB理事会もあり、イタリアの政局が落ち着いてくれば再び金融政策(最大の注目はFOMC)に目が向かうこととなります。
しかし、今回のイタリア国民投票も含め欧州の政局は一気に流動的となり、ユーロに対する不安が強まります。まずイタリアではレンツィ首相が辞任し、民主党を中心とした新首相が誕生、さらにローマ市長選で勝利した五つ星運動が力を増してくると考えられています。同日に行われたオーストリアの大統領選では極右候補は破れましたが、来年春にはオランダ総選挙、フランス大統領選と、今回のイタリアの国民投票の影響が強まる懸念が広がっています。長期的にユーロに対する下げ圧力が今後も続きやすいと見ていたほうが良いでしょう。
ユーロドルの月足チャートをご覧ください。
ユーロドル月足
チャートの形を見てわかる通り、昨年安値1.0463レベルを下回るとサポートらしいサポートはありません。パリティ(1ユーロ=1ドル)を視野にユーロドルは大きく水準を下げるリスクがあるということは常に意識しておきたいものです。
最後にドル円についても簡単に書いておきます。
冒頭に書いた通りでドル円は雇用統計アノマリーが効いたようで(何度も起こると皆が気にするようになります)、当面は115円の大台が強いレジスタンスとして意識されてきました。ただ、依然として下がったところでは出遅れているドル買いの動きが下値を支えます。こちらはいつもの日足チャートをご覧ください。
大統領選後の先週初の押しと大統領選後のこれまでの安値と高値の23.6%押しの水準が111円台半ばでほぼ重なっています。当面は111円台半ばは強いサポートとして効いてくると考えて良いでしょう。今週は112.00レベルをサポートに、先週高値114.50をレジスタンスとする調整が継続する週になりそうです。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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