ドル円、150円前半で底堅い動き。米FOMC議事要旨は早期利下げへの慎重姿勢を崩さず
○ドル円、米国時間午後にかけ150.40まで上昇、引けにかけて小反落するも底堅く推移
○FOMC議事要旨「政策担当者の大半が急速な利下げのリスク指摘」との見解、市場の反応は限定的
○ユーロドル、欧州時間朝方にかけ1.0790まで軟化後、米国時間午後にかけ1.0825まで上昇
○テクニカル的に見て地合いは強く、昨年高値151.91を十分狙える位置と判断
○ファンダメンタルズも円キャリートレードの継続期待等、ドル円相場上昇を連想させる材料が揃う
○引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:149.50ー151.00
海外時間のレビュー
21日(水)のドル円相場は上昇後に反落。アジア時間正午にかけて、安値149.85まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)米主要株価指数の底堅い動き、(3)リッチモンド連銀バーキン総裁による「予想以上の伸びとなった1月CPIと1月PPIは今後の米FRBの金利決定を複雑なものにしている」との早期利下げに慎重な発言、(4)ボウマンFRB理事による「利下げの時期は確実に今ではない」との早期利下げに慎重な発言、(5)重要イベント(米FOMC議事要旨+エヌビディア決算)を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値150.40まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/22午前6時30分現在)では、150.24前後で推移しております。尚、日本時間早朝に発表された米FOMC議事要旨では「政策担当者の大半が急速な利下げのリスクを指摘している」との見解が示されましたが、市場の反応は限定的となりました。
21日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0790まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ユーロ圏2月消費者信頼感速報値(結果▲15.5、予想▲15.5、前回▲16.1)の前月比改善や、(2)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「利下げを期待するのは時期尚早」との早期利下げに慎重な発言、(3)欧州株の堅調推移、(4)独債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(独10年債利回りが昨年12/1以来の高水準へと急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0825まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/22午前6時30分現在)では、1.0815前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は150円台での底堅い動きが続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの全てを上回っている他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立しており、テクニカル的に見て、地合いは強い(昨年高値151.91を十分に狙える位置)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(先週発表された米CPI、米PPIが予想比上振れたことに加えて、昨日発表された米FOMC議事要旨でも「政策担当者の大半が急速な利下げのリスクを指摘している」との見解あり→3月FOMCでの利下げ確率は6.5%へ急低下。5月FOMCでの利下げ確率も25.6%へ急低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている一連の米経済指標(米1月シカゴ連銀全米活動指数、米新規失業保険申請件数、米2月製造業・非製造業PMI速報値、米1月中古住宅販売件数)で力強い結果を示す場合や、米当局者(ジェファーソンFRB副議長、ボウマンFRB理事、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁)よりタカ派的な発言が示される場合には、米金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします(まずは2/13に記録した直近高値150.88を試すシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:149.50ー151.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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