22日トルコ中銀による政策金利発表、カラハン新総裁「ややタカ派」発言の有無に注目
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、週初の経済指標が市場予想よりも良好だったことから13日には心理的な節目である5.0円に接近する上昇が見られたが、22日のトルコ中央銀行(トルコ中銀)による政策金利発表を前に買いは続かなかった。
12日に発表された12月失業率は8.8%と前回(9.0%)比では、失業率が低下。また、13日の12月経常収支も20.9億ドルの赤字と前回(27.7億ドルの赤字)、市場予想(33.0億ドルの赤字)をともに下回った。良好な経済指標が確認できたことから、トルコリラは上昇し、心理的な節目である5.0トルコリラ手前の4.9949トルコリラまで買われた。
ただ、買い一巡後は、22日に発表されるトルコ中銀による政策金利発表を見極めたいとするムードが強まり、トルコリラ買いは続かず。日足の一目均衡表の雲下限や50日移動平均線が引き続き下値支持線として意識されたが、方向感に乏しい展開となった。
トルコ・円(東京時間:2月12日―2月16日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.8676円
高値:4.9949円
安値:4.8267円
終値:4.8705円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
2月12日
16時00分、12月失業率、前回:9.0%、結果:8.9%
2月13日
16時00分、12月経常収支、前回:−27.7億ドル、市場予想:−33.0億ドル、結果:−20.9億ドル
2月21日
16時00分、2月消費者信頼感指数、前回:80.40
2月22日
20時00分、トルコ中銀政策金利、前回:45.0%、市場予想:45.0%☆
2月23日
16時00分、2月設備稼働率、前回:76.2%
16時00分、2月製造業景況感指数(季節調整済)、前回:100.9
17時00分、1月外国人観光客(前年比)、前回:3.51%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、トルコ中銀による政策金利発表とカラハン新総裁の金融政策方針を見極める展開となろう。
前トルコ中銀総裁のエルカン氏の電撃辞任を受けて、カラハン新総裁にとって初めての会合となる。今のところ、カラハン体制は前エルカン体制の「金融政策の正常化路線」を踏襲するとの見方だが、背後に見え隠れするエルドアン大統領の存在は気になるところだ。
また、今回は政策金利45.0%の据え置きが予想されているなか、8日の四半期インフレ報告の発表の際、カラハン新総裁は、「年末のインフレ率予想を巡り、市場では従来の36%よりも引き上げる必要性があるとの見方があるものの、物価予想を据え置く」と述べた。
そして、政策金利に対しては、「現時点で追加利上げの必要性はないが、あらゆる選択肢を残し、インフレ予想が大幅に悪化すれば金融政策スタンスを見直す」「金融緩和について語るのは時期尚早」と「ややタカ派」なコメントを残した。
トルコ中銀は昨年6月に金融引き締めに政策転換し、主要政策金利は8.5%から今年1月に45.0%まで引き上げた後、利上げサイクルの終了を示唆していたことから、初めての政策金利発表で「利上げサイクルの終了」を明確に発言するかが要注目となる。
一方、テクニカル面では好転しそうな状況を迎えている。上値抵抗線だった50日移動平均線が下値支持線に転換し、日足の一目均衡表の雲下限も下値支持線として意識されている。
また、1月3日の史上最安値4.7396円と1月12日安値、2月2日安値を結んだ下値支持線と、昨年8月24日の高値5.8005円を起点とした上値抵抗線を結んだ三角保合いも上放れている。
テクニカル面での妙味もあり、トルコリラはじりじりと反発しているが、心理的な節目である5.0円や、雲上限や切り下がってくる100日移動平均線の5.05円水準辺りを明確に上抜けるには、カラハン新体制のトルコ中銀の金融政策方針の確認が必要だ。
トルコリラ円日足
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