ユーロドル:11月29日のファンダメンタル分析
不確実性が大きいイタリア国民投票に要警戒
今週末の12月4日にはイタリアで、憲法改正の是非を問う、イタリアの国民投票の実施が予定されています。
イタリアの議会の特色は、先ず上院と下院がほぼ同等の権限を持つ事、それと各首相の在任期間が比較的短命でまた、政権交代も多いことでしょう。
これは前者に問題があるとされ、上院と下院がほぼ同等の権限を持つと首相の支配力を弱めるからとされます。
その問題を解決、つまりイタリアの首相の政治的な支配力をより強くし、イタリアの政治をより安定化させる為に、実は予てより、イタリアの上院と下院に関する憲法改正論議はあったのです。
あったのですが、旗振りの首相自身の任期が短いので、話をそこまで持ってゆけなかったのです。
そこで国民の支持率の高いレンツイ首相が意を決して、上院と下院に関する憲法改正を問う国民投票の実施にまで持ってきたのです。つまりレンツイ首相程の支持の高い首相でないと出来なかった事なのです。
憲法改正の内容として重要なのは、上院の現在の議員定数315席を、100席にまで減らし、法案の審議と内閣の承認は下院が担当するという2点です(他にもいくつかの改正点はあるのですが)。
これをもって、上院の権限を大きく削減しようといている訳です。
ですから、今回の国民投票というのは、ある意味でレンツイ首相への投票に等しく、なので国民投票実施前から、もしこの憲法改正の是非を問う国民投票で憲法改正への賛成を得られなかった場合には、自身への国民支持が
足りないものと等しいので、即刻イタリア首相を辞任すると公言している訳です。
心配なのは、今年6月に起こった、まさかのブレグジットの後、もし今回のイタリア国民投票が否決されれば、
ユーロ圏での政治的な不安定が加速してしまう事です。
否決は、イタリアが支持率の高いレンツイ首相を失う事を意味し、今の強いリーダーシップを持ったレンツイ首相を失う事を意味します。レンツイ首相を失う事は、彼が行ってきた、行おうとしていた改革が泡に帰してしまうのです。イタリアの政治不安はユーロ圏の政治不安になり、イタリアの経済停滞はユーロ圏の経済停滞になるのです。
以上の意味において、個人的には是非、4日の国民投票ではレンツイ首相に勝ってほしく思い、レンツイ首相には引き続きイタリアでの改革を進め、ひいてはユーロ圏のリーダーになってもらいたいと思っています。
ユーロドル:11月29日のテクニカル分析
今日のレンジは、1.0550~1.0750
昨日は一気に1.0558まで下押しました。節目の1.0600と、日足の5日線1.0594を割り込んできているので、更なる安値更新の流れと判断します。下値目途は1.0300を試す流れでしょう。
上値目途は、節目の1.0600から昨日高値の1.0654前後までとして、その後の反落を警戒します。高値更新への流れには、28日高値の1.0686を上抜く必要があります。
ユーロドルは徐々に1.05前後では下値限定的になりつつあります。
ただ、地合いは引き続き戻り売り優先なので、ユーロドルに買い材料がない中、ドル買いが強まった場合には、再度1.05を試す可能性があります。
今日のレンジは、1.0550~1.0750と見ます。
オーダー/ポジション状況
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