ユーロ 年内は鈍い動きもやや底堅い展開が続く(週報12月第4週)

先週のユーロドルは週初安の週末高と一週間を通してユーロがじり高の週となりました。

ユーロ 年内は鈍い動きもやや底堅い展開が続く(週報12月第4週)

年内は鈍い動きもやや底堅い展開が続く

〇先週のユーロドル、150pipsに満たない週間レンジ、クリスマスを控えて動意薄の取引き
〇ドル円での調整がユーロ円にも波及したことからユーロドルは値幅大きくならず
〇今週は重要な経済指標や要人発言は皆無、何かニュースが出た場合思いのほか振れる可能性も
〇年明け後も基本は米国の緩和思惑によるドル売りの流れが継続しやすい地合い
〇来年は円>ユーロ>ドルという強弱の順序がベースとなる中で短期的な材料に影響される流れか
〇今週は1.0900レベルをサポートに、1.1050レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは週初安の週末高と一週間を通してユーロがじり高の週となりました。しかし、値幅的には週初1.08台後半から始まり週末には1.10台前半まで上昇と週間レンジは150pipsに満たずクリスマスを控えて動意薄の取引が続きました。主要な材料はユーロ材料よりも米ドル材料、米国の早期緩和と大幅な利下げ思惑がドル売り・ユーロ買いにつながりましたが、ドル円での調整がユーロ円にも波及したことからユーロドルは値幅があまり大きくはなりませんでした。

先週はクリスマス前でしたが、今週前半はクリスマスで欧州の主要市場は連休中、週半ばから再開するものの、今週の予定を見ても重要な経済指標や要人発言は皆無で、トレーダー的にも残りの一週間は消化試合といった状況です。本格的な再開は年明けまで望めないというところでしょう。ただ、その分参加者が少なく流動性も低下しますので、もし何かニュースが出たりすると思いのほか振れる可能性はあります。

年明け後も基本は米国の緩和思惑によるドル売りの流れが継続しやすい地合いに変化は無さそうですが、12月のECB理事会ではインフレ懸念にタカ派的ではあったものの、年明け以降は景気後退にも配慮する発言が出てくる可能性も高く、ユーロドルの場合には一方的にユーロ高が進むとも思えません。また2024年の3月か4月に日銀が引き締めに転じるとなると、ユーロ円の売りも出るでしょうから、これまでとは逆の動きで円>ユーロ>ドルという強弱の順序がベースとなる中で短期的な材料に影響される流れを考えています。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

年内は鈍い動きもやや底堅い展開が続く

10月安値からの上昇トレンドは続いていますが、大台1.10を超えられるかどうかを試している最中です。ただ材料を考えると11月同様に反落するよりもピンクの平行上昇チャンネル内で、7月高値と10月安値の78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる1.1098をターゲットに上昇する流れと見た方が自然です。

年内は消化試合なのでそこまでの動きは無さそうですが、年明け以降のターゲットという見方で良いでしょう。いっぽうで下値は先週の安値圏1.0900水準となりそうです。今週は1.0900レベルをサポートに、1.1050レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

先週と同様、ユーロ円の日足チャートを見ておきます。

年内は鈍い動きもやや底堅い展開が続く 2枚目の画像

11月高値と12月安値の半値戻しで上値を抑えられ、現在はピンクのラインで示した三角もちあいを形成中です。現在サポートが154円台後半、レジスタンスが158円水準です。どちらかに抜けた方にトレンドが出やすいですが、ドル円の動きを見ているとユーロ円も下抜けを試す可能性が高そうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

12月25日(月)
**:** 東京を除く主要市場休場 ☆

12月26日(火)
**:** 東京、NYを除く主要市場休場

12月27日(水)
(特になし)

12月28日(木)
(特になし)

12月29日(金)
(特になし)

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

12月18日(月)
 ユーロドルは終日のレンジが39pipsと動意薄、ユーロ円はドル円とともに買い戻しが入ったことで156.31レベルまで買い戻された後に155円台後半へと押しました。

12月19日(火)
 ユーロドルは買いが目立つ一日となりました。ドル円とともにユーロ円が上昇した動き、米国の早期緩和思惑と材料が変化しながら1.0987レベルまで上昇し、高値圏での引けとなりました。

12月20日(水)
 ユーロドルはドル円とともにユーロ円でも売りが先行したことからNY市場までじり安。その後、ドル円とともにユーロ円が買い戻され上昇と、主要3通貨ペアともほぼ歩調を揃えての一日となっていました。

12月21日(木)
 ユーロドルはドルの上値が重いことから底堅い動きとなっていましたが、欧州市場に入り米金利低下の動きからドル売り・ユーロ買いが強まり、NY市場でも弱い経済指標を受けユーロ買いが強まる動きとなりました。引けにかけて1.1013レベルと1.10の大台に乗せ高値引けとなりました。

12月22日(金)
 ユーロドルは東京市場では動かず、海外市場に移ってからはドル円同様にドル安後のドル買い戻しの動きに沿って1.1040レベルまで上昇後に朝方の安値圏に押して引けました。クリスマスを控えてユーロの取引は低調な状態が続き、一日のレンジも46pipsに留まりました。



今年も一年お世話になりました。年内は本日が最終、年明けは8日月曜から再開となります。良い年をお迎えください。

ディスクレーマー

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