南アランド週報:『約2カ月半ぶり高値圏へ急伸するも上値は重い。反落リスクに要警戒』(10/21朝)

南アランドの対円相場は、10/5に記録した安値7.58円をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、約2カ月半ぶり高値となる8.00円まで急伸しました。

南アランド週報:『約2カ月半ぶり高値圏へ急伸するも上値は重い。反落リスクに要警戒』(10/21朝)

『約2カ月半ぶり高値圏へ急伸するも上値は重い。反落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、金価格上昇、南アCPI低下、指標の好調に週央にかけ高値8.0まで上昇
〇その後は米長期金利上昇や、短期筋の見切り売りに週後半7.82まで反落
〇南ア円、主要テクニカルポイントの上で推移、7.95の壁も上方ブレイクし、地合い強い
〇ファンダメンタルズは南ア、経済先行き不透明感、米金融引き締め長期化観測等、悪材料増加中
〇南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー8.00

今週のレビュー(10/16−10/20)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.87円で寄り付いた後、(1)中東情勢緊迫化に端を発した金価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)や、(2)南ア9月消費者物価指数(結果+0.6%、予想+0.7%、※前月比)の市場予想を下回る結果、(3)南ア9月消費者物価コア指数(結果+0.2%、予想+0.3%、※前月比)の市場予想を下回る結果、(4)上記3、4を背景とした南アランドの実質金利上昇期待、(5)南ア8月小売売上高(結果+0.2%、予想▲0.1%、※前月比)の市場予想を上回る結果、(6)市場参加者に意識されていた強力なレジスタンス「7.95円の壁」突破に伴う仕掛け的な南アランド買い、(7)中国経済指標(中国7ー9月期GDP統計、中国9月小売売上高、中国9月鉱工業生産)の良好な結果(南アフリカと経済的な結びつきの強い中国経済の先行き不透明感後退→市場心理改善)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値8.00円(7/31以来、約2ヵ月半ぶり高値圏)まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米FRBによる金融引き締め長期化観測(米10年債利回りが2007年7月以来の高水準となる5.00%へ急上昇→南アフリカから米国への資金流出圧力)や、(8)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(俄かロング勢のロスカット)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.82円まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/21午前3時50分現在)では、7.88円前後で推移しております。

来週の見通し(10/23−10/27)

南アランドの対円相場は、10/5に記録した安値7.58円をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、約2カ月半ぶり高値となる8.00円まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」が成立していること、鬼門とされていた「7.95円の壁」を上方ブレイクできたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感や、(2)米FRBによる金融引き締め長期化観測(直近で発表された米雇用統計、米PPI、米CPI、米ミシガン大期待インフレ率、米小売売上高はいずれも市場予想を上回る結果→米10年債利回りが2007年7月以来の高水準へ上昇)、(3)中東情勢を巡る地政学的リスク、(4)上記2、3を背景とした伝統的金融市場のリスク回避ムード(リスクアセットや新興国通貨への下押し要因)など、南アランドの悪材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(ファンダメンタルズ主導の南アランド売りを想定)。尚、来週は10/26に予定されている南ア8月生産者物価指数に注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー8.00

注:ポイント要約は編集部

『約2カ月半ぶり高値圏へ急伸するも上値は重い。反落リスクに要警戒』

南アフリカランド円日足

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