『約3週間ぶり高値圏へ上昇するも、上値余地は限定的か』
〇今週の南ア円、南ア指標の好調、円安進行に週央にかけて一時7.89まで上昇
〇その後はタカ派のFOMC、金・プラチナ価格の反落に7.77まで下押す
〇日銀会合後は、円安進行で週末にかけ週間高値7.92に上昇し高値圏で越週
〇テクニカルには主要テクニカルポイントの上側で推移し、買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズは南ア・中国の経済の先行き不透明感、米金融引き締め長期化観測等が重石
〇南アランド円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー8.00
今週のレビュー(9/18−9/22)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.77円で寄り付いた後、早々に週間安値7.73円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア8月消費者物価コア指数(結果+0.3%、予想+0.2%、※前月比)の市場予想を上回る結果や、(2)対主要通貨での円売り圧力(ドル円上昇→南アランド円連れ高)、(3)金・プラチナ価格の堅調推移が支援材料となり、週央にかけて、一時7.89円まで上昇しました。その後は、(4)米FOMCのタカ派的な結果(ドットチャートで19人中12人が年内あと1回の追加利上げを予想した他、2024年末時点の中央値が前回の4.6%から5.1%へ大幅上方修正。
パウエルFRB議長からも「米国経済が予想より強ければさらに行動する必要がある」とのタカ派的な発言あり)や、(5)上記4を背景とした伝統的金融市場のリスクオフ再開(米長期金利急上昇→南ア株急落)、(6)金・プラチナ価格の急反落(南アフリカの交易条件悪化懸念)を材料に、一時7.77円まで下押す場面も見られましたが、(7)日銀による大規模金融緩和の継続決定や、(8)植田日銀総裁によるハト派的な発言が明らかになると、(9)対主要通貨での円売り(ドル円・クロス円上昇→南アランド円連れ高)が再開し、週末にかけて、週間高値7.92円(8/29以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/23午前3時00分現在)では、7.90円前後で推移しております。尚、南ア中銀(SARB)は今週、政策金利の2会合連続・据え置き(8.25%)を決定しましたが、ハニャホ総裁より「食料価格の上昇やエネルギー価格の上昇がインフレリスクに繋がる」との見解(追加利上げの可能性を排除しない姿勢)が示されたことで、市場の反応は限定的となりました。
来週の見通し(9/25−9/29)
南アランドの対円相場は、9/6に記録した直近安値7.61円をボトムに反発に転じると、週末にかけて、約3週間ぶり高値となる7.92円(8/29以来の高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、50日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア7月小売売上高は▲1.8%と市場予想の▲1.1%を下回る冴えない結果。国営電力会社エスコムによる電力負荷制限も南アフリカ経済の重石)や、(2)中国経済の先行き不透明感(中国経済の鈍化は経済的な結びつきの強い南アフリカ経済の下振れ要因)、(3)米FRBによる金融引き締め長期化観測(今週発表された米FOMCは予想以上にタカ派的な結果→南アフリカから米国への資金流出圧力)、(4)南アフリカの交易条件悪化懸念(金・プラチナ価格の冴えない動き)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル的な強さよりもファンダメンタルズ的な弱さが勝るシナリオを想定)。尚、来週は南ア8月生産者物価指数や南ア8月貿易収支、中国9月財新製造業PMIに注目が集まります。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー8.00
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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