ドル円、神田財務官発言で一時下落するも、良好な米ISM非製造業を受けて全値戻し(9/7朝)

6日(水)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、神田財務官発言で一時下落するも、良好な米ISM非製造業を受けて全値戻し(9/7朝)

ドル円、神田財務官発言で一時下落するも、良好な米ISM非製造業を受けて全値戻し

○ドル円、神田財務官の円安牽制発言などに147.03まで急落後、147.71前後まで持ち直し
○米8月ISM非製造業景況指数の市場予想上回る結果、米長期金利の急上昇などが支援材料
○ユーロドル、1.0749まで上昇後、欧州株の不冴えに1.0703まで反落
○ドル円、テクニカル的に見て極めて強い地合
○ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いなどドル円上昇を連想させる材料が揃う
○ドル円相場の続伸がメインシナリオ、米国時間のアップサイドリスクに要警戒
○本日の予想レンジ:147.00ー148.50

海外時間のレビュー

6日(水)のドル円相場は急落後に急反発。アジア時間朝方にかけて、高値147.82(昨年11/4以来の高値圏)まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(2)神田財務官による「ファンダメンタルズでは説明できない動きがみられる」との円安牽制発言、(3)高田日銀委員による「日銀は為替含め金融市場のボラティリティにそれなりに対応」との円安牽制発言、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値147.03まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米8月ISM非製造業景況指数(結果54.5、予想52.4)の市場予想を上回る結果や、(6)米長期金利の急上昇(米2年債利回りが8/29以来の高水準となる5.03%へ急上昇、米10年債利回りは8/23以来の高水準となる4.30%へ急上昇)、(7)短期筋のロング再構築(一時的にドル円ロングを手仕舞う動きが見られていたが、良好な米経済指標確認後にドル円ロングポジションを再構築)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間9/7午前4時50分現在)では、147.71前後まで持ち直す動きとなっております。

6日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)ユーロ圏7月小売売上高(結果▲1.0%、予想▲1.2%、※前年比)の市場予想を上回る結果、(3)オランダ中銀クノット総裁による「市場は9月利上げ確率を過小評価している可能性」とのタカ派的な発言、(4)スロバキア中銀カジミール総裁による「ECBはあと1回利上げが必要で来週が望ましい」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0749まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米8月ISM非製造業景況指数の市場予想を上回る結果や、(6)米長期金利の急上昇、(7)欧州株の冴えない動きが重石となり、日本時間23時過ぎに、安値1.0703(6/8以来、約3カ月ぶり安値圏)まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/7午前4時50分現在)では、1.0726前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は9/1に記録した安値144.44をボトムに反発に転じると、昨日は一時147.82(昨年11/4以来、約10カ月ぶり高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(事実、昨日は介入警戒感を背景に一時147.03まで急落するも、海外勢参入後に全値戻しを達成→下値の堅さを再確認)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(CMEが提供するFedWatchツールによると年内利上げ確率は41.0%へ上昇)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に着目した円キャリートレードの継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。日本政府・当局による介入警戒感が都度上値を抑制する可能性はあるものの、昨年高値151.95を上抜けるまでは実弾介入に踏み切る可能性は低いと考えられることから(※海外勢を中心に介入警戒感が高まっていますが、今年の円安は昨年の悪い円安のイメージと異なり、株高を伴う円安となっているため、介入に踏み切りづらい)、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は米4ー6月期非農業部門労働生産性、米4ー6月期単位労働コスト、米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁発言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言、アトランタ連銀ボスティック総裁発言などに注目が集まります。特に米当局者よりタカ派的な発言が出てくる場合には、米金利上昇→米ドル全面高の経路でドル円が心理的節目148.00を一気に突破するシナリオも想定されるため、米国時間帯のアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:147.00ー148.50

ドル円、神田財務官発言で一時下落するも、良好な米ISM非製造業を受けて全値戻し

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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