米7月PCEとPCEコア予想
本日、ユーロ圏の8月HICPに続き、FRBのインフレ指標である7月PCEとPCEコア及び個人消費支出が発表されます。米国は来月13日に8月CPI、14日に8月PPIが公表されますが、これを含め9月中旬予定のECB金融政策(14日)、FOMC(20日)までに発表される残り少ない欧米のインフレ指標になります。
前回6月の下表3項目はPCEコアが予想を下回り、個人消費支出が上回りました。この2日前のFOMC会合でまだインフレ高いままであるとのFRB見通しから、個人消費支出の改善にドル買い材料となりました。
今回は全体・コア共に前月より上回り、個人消費支出も更に上昇する予想になっています。この数値が出ると、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長のスピーチを裏付けているとの見方になりそうです。
下図をみても、青のCPIコアは昨年9月の6.6%をピークに下落しています。この時点のPCEコアは5.2%でしたので、その差は1.4%もありました。今回PCEコアが予想通りならCPIコア(4.7%)との差は0.5%になり、FRBが指標としているPCEのインフレ低下が遅々としていることが解ります。FRBの6月FOMC会合時の23年末PCEコア予想は3.9%ですので、残り5ヶ月もあるので達成される可能性は高いと思いますが、逆に言えばそこまでしか下がらないとの見方もできます。
また今後の消費を占う意味で、個人消費支出の動向は気になります。前回は0.4%予想で結果は上振れの0.5%、今回は0.7%予想ですので、消費は拡大しています。アトランタ連銀GDPナウは第3四半期GDPが5.9%(8月24日現在)と非常に高く、利上げによる景気鈍化が思った程出ていないと思われます。今回もレンジ下限を割る程の悪化が出無い限り、米金利軟化は難しそうです。
今回予想
2023年8月31日7時30分現在予想
米国CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)前年比ベース推移
オレンジ矢印が今回の4月予想値、
赤はFRBのインフレ目標値2%、
緑が6月FOMC会合時のPCEコア2023年末予想値3.9%です。
下図はドル円の週足チャートです。
2021年9月20日週底値からのサポートA(=136円00銭)で長期のドル高を支えています。
直近は3月29日週底値からのサポートB(=141円10銭)、ここから平行に上げた目安C(=148円90銭)でドル高トレンドを形成しています。更に平行に上げてみると、昨年5月23日週底値からの抵抗線D(=154円10銭)とも平行になっています。このCとDの途中に昨年10月高値の151円95銭があります。
下値は何度か止められたE(=144円90銭〜145円10銭)がサポートしており、当面はここが維持出来るか否かとなります。
現在のドル高で1つ気になるのはチャート内下段のRSIです。スポットが高値を更新し続けていないのでダイバージェンス中とはなっていませんが、ラインFは綺麗に下降線を辿っています。従い、Fを抜けてくると、ドル買いに安心感がでますが、万一、チャートのEを下抜けてくると、相変わらずFが効いたままになりそうです。この場合はBまでの押しは想定しておいた方が良さそうです。尚、現在のRSIは64.98にあります。
今日の欧米のインフレ指標も材料になりますが、ECB理事会要旨の内容がタカ派的になるとクロス円の円売りにも注意が必要です。
(8月31日12:30 1ドル=145円83銭)
オーダー/ポジション状況
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