トルコリラ円見通し ドル円を追いかけて8月7日以降の上昇基調を継続して5.30円台後半(23/8/15)

トルコリラ円の8月14日は概ね5.38円から5.32円の取引レンジ、15日早朝の終値は5.37円で先週末終値の5.39円からは0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円を追いかけて8月7日以降の上昇基調を継続して5.30円台後半(23/8/15)

ドル円を追いかけて8月7日以降の上昇基調を継続して5.30円台後半

〇トルコ円、8/7以降ドル円上昇を追いかけ上昇基調継続、8/15早朝は終値5.37
〇対ドル、8/14は概ね26.61から27.22の取引レンジ、終値ベースで最安値を更新繰り返す
〇トルコ円、7/18、7/28両安値をダブル底とした上昇継続だが、ドル円への介入警戒感も
〇ドル円が市場介入等により急落する場合も、売り一巡後の反騰に注目したい
〇5.34を上回るうちは上昇余地ありとし、5.40超えからは5.42前後を試す上昇を想定
〇5.34割れからは下向きとし、5.32割れからは下落期入りとみて5.30前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月14日は概ね5.38円から5.32円の取引レンジ、15日早朝の終値は5.37円で先週末終値の5.39円からは0.02円の円高リラ安だった。
ドル/トルコリラにおけるリラ安基調が続いているものの5月末から7月19日にかけての暴落商状がやや落ち着いているため、トルコリラ円はドル/トルコリラを気にしながらもドル円の騰落を追いかけている。
ドル円は8月7日午前安値141.51円を起点とした上昇を継続しており、8月10日夜の米CPI発表後の一時的な下落から一段高に入り、11日夜の米PPIを通過して145円に迫っていたが、週明けの14日は午前に145.22円を付けて6月30日高値145.06円を超えて年初来高値を更新し、いったん144.65円まで下げたところも早々に買われて14日夜には米長期債利回りの上昇により145.57円へ高値を伸ばし、15日午前には145.58円へ高値をわずかに切り上げている。
トルコリラ円は先週末8月12日早朝の終値前に5.40円へ一段高となり、14日昼に5.32円まで一時的に下げたところも買われて5.38円まで戻した。前日比では若干のマイナスだったが、8月7日以降はドル円の上昇を追いかけて徐々に底上げをしてその後の高値も切り上げる上昇基調を継続している。

【対ドルでは終値ベースの最安値を更新】

ドル/トルコリラの8月14日は概ね26.61リラから27.22リラの取引レンジ、15日早朝の終値は27.01リラで先週末終値の26.86リラからは0.15リラのドル高リラ安だった。
8月に入ってからは26.70リラ台から27.05リラ前後までの範囲をコアレンジとした持ち合いの様相だが、一時的なリラ安の成立により8月4日に27.34リラを付けて取引時間中の史上最安値とした後は新たな安値更新へ進んでいないものの、コアレンジの中心値は徐々に切り下がっており、終値ベースでは8月9日に26.99リラ、8月10日に27.00リラ、14日に27.01リラと最安値更新を繰り返している。
8月14日は米長期債利回りの上昇によりユーロやポンド、豪ドルなどが夜に一段安するなど全般にドル高基調での推移となったが、トルコリラは外部情勢にさほど影響されずにジリ安基調での推移を継続している。

【7月18日と7月28日の両安値をダブル底とした上昇継続だが、ドル円への介入警戒感も】

トルコリラ円は5月28日の大統領選挙におけるエルドアン大統領再選をきっかけに5月26日高値7.06円を起点として暴落商状に陥り、6月22日のトルコ中銀による政策金利引き上げ(それまでの8.5%から15.0%へ引き上げ)を不足として6月27日には5.47円へ下落、7月18日には5.08円まで史上最安値を更新した。
7月20日にトルコ中銀が17.5%へと連続利上げを決定して今後も追加利上げによるインフレ抑制を目指すとしたことによりその後は新たな安値更新を回避し、7月28日に日銀がYCCの一部修正で長期金利変動許容基準を引き上げたことによるドル円の乱高下で5.12円まで反落したところでも底割れを回避して7月18日安値とのダブル底形成とし、ドル円の上昇基調に合わせて5.40円到達まで戻してきた。
ドル円の上昇基調は継続しているものの、昨年9月22日に市場介入が行われた水準に迫っていることで146円に迫る局面では介入警戒感も強まり当局の円安けん制等によっては波乱含みとなる可能性があるが、昨年は9月介入での一時的な急落を買われて10月21日高値151.94円へ一段高した経緯もあり、市場心理としてはまだしばらくドル円の高値試しを続けやすいと思われる。

トルコリラ円としてはドル/トルコリラにおける暴落商状再開への懸念を抱えつつも、やや落ち着いた状況の中でドル円の上昇を追いかけたいところだ。
昨年は3月11日安値7.73円から4月28日高値8.87円へ上昇、8月2日安値7.22円から10月21日高値8.17円へ上昇、今年1月16日安値6.74円から3月8日高値7.29円へ上昇と概ね5か月から6か月周期でドル円に合わせて上昇しているが、ドル円は昨年8月2日安値からの上昇時に近い動きを見せているため、トルコリラ円も昨年8月2日から10月21日にかけての間へ上昇した時と同様の上昇期に入ったとしても不思議ないところだ。目先は5.50円を試し、次いで5.56円、5.57円等を順次試す可能性のあるところとし、ドル円が市場介入等により急落する場合も売り一巡後に反騰する可能性のあるところと注目したい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月7日午前安値からの反騰で8月4日夜高値を超えたため、8日午前時点では7日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし9日から10日午後にかけての間への上昇を想定したが、
8月11日午前に一時反落してから12日早朝へ一段高したために、14日午前時点では11日午前安値を直近のサイクルボトムとして新たな強気サイクル入りしたとして16日朝から18日朝にかけての間への上昇を想定した。
8月14日午後の反落でも5.30円台を維持して切り返しているのでまだ上昇余地ありとするが、12日早朝高値とのダブルトップ形成に終わる可能性もあるので5.34円割れを弱気転換注意とし、5.32円割れからは弱気サイクル入りとして16日朝から18日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では一時的な安値を除いて8月7日以降の上昇基調が続いており、遅行スパンは好転を維持し、一時的な安値は先行スパンの下限近辺で下げ止って切り返している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とする。ただし先行スパンから連続的に転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月11日未明高値の後は指数のピークがフラットな弱気逆行気配となっているので、50ポイント以上を維持するうちは上昇余地ありとするが、50ポイント割れからは30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.34円を下値支持線、5.40円を上値抵抗線とする。
(2)5.34円を上回るうちは上昇余地ありとし、5.40円超えからは5.42円前後を試す上昇を想定する。5.42円以上は反落注意とするが、5.35円を上回っての推移なら16日午前も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)5.34円割れからは下向きとし、5.32円割れからは下落期入りとみて5.30円前後への下落を想定する。5.30円以下は反発注意とするが、5.32円を割り込んでの推移なら16日午前も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月15日
 17:00 7月 財政収支 (6月 -2196億リラ)
8月17日
 20:00 週次 外貨準備高 8月11日時点 グロス (8月4日時点 742.3億ドル)
 20:00 週次 外貨準備高 8月11日時点 ネット (8月4日時点 157.2億ドル)
8月23日
 16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 80.1)
8月24日
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 17.5%)


注:ポイント要約は編集部

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