オーストラリアドル週報(2023年7月第4週)

豪ドルが対米ドルでじり安の展開となりましたが、対円では28日の日銀金融政策決定会合でYCCの運用面での修正を決定したことから円が買われ豪ドルは対円で急落しています。

オーストラリアドル週報(2023年7月第4週)

豪ドル/円、短期は“弱気”。92円割れの越週で新たな下落リスクが点灯。

26日に発表された豪4-6月期CPIは前期比0.8%、前年同期比6.0%と市場予想を下回りインフレ鎮静化の兆しを示しました。これを受けて、豪ドルは対米ドル、対円で売りが優勢となりました。また、28日に発表された豪4-6月期の卸売物価指数は前期比0.5%、前年同期比3.9%で、これも低下傾向を示しました。また6月の小売売上高は市場予想に反して▼0.8%となり、豪ドルは対米ドル、対円で売りが優勢となりました。今週は良好な米経済指標を受けて豪ドルが対米ドルでじり安の展開となりましたが、対円では28日の日銀金融政策決定会合で、YCCの運用面での修正を決定したことから、円が買われ豪ドルは対円で急落しています。

チャートを見ると、日足は3月に付けた86.06を基点として下値を切り上げる流れを維持しており、この日足の下値抵抗は93.00-10にあります。日銀の金融政策化合決定以降、値動きではこれを下抜けており、下値リスクが点灯中です。一方上値も、6/19に付けた97.67を直近高値として上値を切り下げる流れに変わりありません。値動きが収縮しつつあることから、一方向へ動き出す可能性に注意が必要です。93円台を割り込んで終えた場合は下値リスクが点灯、92円台を割り込んで終えた場合は90円方向への新たな下落リスクが生じます。逆に95円台を回復して引ければ下値リスクがやや後退、96.00超えで終えれば“豪ドル強気”に変化して上昇余地が拡がり易くなります。日足の上値抵抗は94.00-10,94.90-00,95.70-80に、下値抵抗は92.50-60,92.00±10銭、90.40-50にあります。21日移動平均線は95.13にあり、これを下抜けて下値リスクが点灯中ですが、120日、200日線は91.89,91.94に位置しており、短期的な下値抵抗として働く可能性を示しています。

一方直近の週足は小陽線で終えていますが、上値を切り下げる流れから上抜けきれておらず下値リスクを残した状態です。今週は上値抵抗にぶつかって反落しており、下値トライの動きが強まっていますが、3月に付けた86.06を基点として下値を切り上げる流れをかろうじて守った状態です。この週足サポートは92.60-70に位置しており、これを割り込んで越週した場合は下値リスクが点灯します。週足ベースで見た上値抵抗は95.00-10,96.00-10に、下値抵抗は92.60-70,92.00-10,90.00-10にあります。31週、62週移動平均線は91.61と92.60に位置しており、中期トレンドをサポート中ですが、92円割れで越週した場合は一段の下落へと進む可能性があります。

豪ドル/円、短期は“弱気”。92円割れの越週で新たな下落リスクが点灯。

7/27現在、31週移動平均線は91.61に、62週線は92.60にあり、中期トレンドをサポート中。

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