米4月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(10日)は米国4月消費者物価指数(CPI)が発表されます。また翌11日には卸売物価指数(PPI)が発表されます。今回の予想をみると、CPIがインフレ高止まり傾向、PPIは順調に下がってきている状況です。
前回3月は全体でやや緩んだ程度で、高止まりに近い結果でした。ドル円相場は発表前に133円75銭付近で推移していましたが、やや低下したCPIを材料に132円74銭までドルが売られ133円13銭で引けました。
今回4月の前年比の予想数値は前回とほぼ変わらない予想になっています。予想通りになった場合米10年債金利がどちらに反応するかをみたいと思います。今週は4半期毎の定例米国債入札もあるので、債券のポジション状況次第ではCPI・PPIに関わりなく微妙な動きも予想されますが、FOMC後の材料出尽くしに近い状況なので、きっかけが出ればと思います。
下図(1)を見ると、昨年12月以降のオレンジ色移動平均線は0.3%辺りで推移しており、安定しています。コロナ前の2018年〜19年は0.2%前後でしたので、それと比較するとまだ高いですが、落ち着いた流れになっています。下図(2)では完全に横這いとなっており、このままでは月末発表予定の4月PCEコアも3月の4.6%前後での動きになりそうで、FRB予想の2023年末3.6%に近づく動きとはなっていません。次回6月のFOMC会合で経済見通しの改定があるので、どうなるか注目されます。
尚、明日の4月卸売物価指数はインフレ低下傾向(前年比全体:2月PPI 4.6%⇒3月2.7%、4月予想2.5%)が続く予想ですので、もしPPIが結果通りになればいずれCPIへの波及も予想されます。
消費者物価指数
2023年5月10日9時00分現在予想
(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線が0.3%前後で横這っており、青の前月比数値がその上下で推移しています。
一方、下記チャート(2)はコアインフレを示していますが、2023年になってからは中々低下傾向を示していません。CPI(青)は5.5%を底にして横這いになっています。このままではオレンジのPCEコアも下がり難く、緑のFRB(3月時点の2023年末)予想に近づく流れになっていません。5月以降毎月0.1%ずつ下がっても達成できないことになります。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
赤はFRBのインフレ目標値2%
緑は2023年3月時のFRBの2023年末PCEコア予想3.6%
青の矢印は今回予想値
下図はドル円の週足チャートです。昨年10月17日週高値からの抵抗線A(=132円00銭)を4月17日週に上抜いてからドルの堅調が続いています。
現在は1月16日週底値からのサポートB(=131円00銭)とそこから平行に上げた上値目安のC(=139円70銭)でドル高トレンドを形成しています。このレンジ内で、昨年12月12日週、3月6日週、そして先週の高値を結んだ抵抗線D(=137円75銭)があり、目先の上値を規定しています。現状はBとDの3角持ち合いとなり、Dを抜ければC方向のトライに入れます。
一方で、Aを切りBを下抜くと、昨年5月23日週底値からのサポートE(=127円90銭)、更に2021年11月29日週底値からのサポートE(=123円20銭)でドル高を支えています。
今日のCPI、明日のPPIで予想よりも大きく振れない限り、B・D間を抜け切れない感じです。
(5月10日10:45 1ドル=135円18銭)
オーダー/ポジション状況
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